2023年10月28日

執筆者河田紗弥

七難を隠す。 『美顔術』

ときは、明治時代。

白粉や紅など江戸時代から続く伝統的な化粧法の一方、
洋行帰りの女性や美容家が美容本や雑誌などに
西洋の色つきの白粉などの最新化粧を紹介したことをきっかけに、
欧米の化粧や美容情報も次々と広まっていった。

その中でも特に注目されたのが「美顔術」
今でいう、エステだ。

一般女性に向けて、
はじめてエステティックサロンが登場したのは
明治38年のこと。
遠藤波津子が、現在の銀座7丁目にあたる京橋区竹川町に
「理容館」を開業したのが始まりと言われている。

当時エステは、
「美顔術と申しますのは、米国式化粧の準備として
顔を掃除しまするので、
米国では至るところの床屋で行っているさうですが
日本では昨年七月から此術の開業者が初めて現はれたのであります。」

と、新聞や雑誌に取り上げられるなど、話題になっていた。

当時の「理容館」では、1回の施術時間が約40分、料金は50銭。
当時の白粉の値段がひとつ12銭〜25銭。
ちょうど高級白粉を2個購入できる金額が
1回分の美顔術代金だったのだ。

エステは、当時から高級なお手入れ。

2023年10月22日

執筆者熊埜御堂由香

身体のはなし 「アンネの言葉」

ナチスの影に怯え
2年間の隠れ家生活を過ごしたアンネ・フランク。
彼女が身体の不調について、こんな言葉を残している。

薬を10錠飲むよりも、心から笑ったほうが
ずっと効果がある。

笑いたい時に、大笑いできる。
その身体のなんと、幸福なことか。

2023年10月22日

執筆者熊埜御堂由香

Photo by Marat Z

身体のはなし 「アイアンガーの実践」

世界中の人が実践するアイアンガーヨガは、
道具を使ってアーサナと呼ばれるポーズをアシストすることが特徴だ。
創始者である、B.K.Sアイアンガーが設計した、
ベルトやロープ、木製の器具は、
過去に身体の故障をした人も、正しいアーサナへ導いてくれる。

彼はこんな言葉を残している。

身体はあなたの寺院。
内側に宿る魂のために純粋で清潔に保ちなさい。

ヨガの治癒力を体系化し、医学の専門家からも
信頼が厚かった師の教えが、今日も誰かの身体を清めている。

2023年10月22日

執筆者若杉茜

身体のはなし 「崩壊」

Of course all life is a process of breaking down.
全ての人生は、いうまでもなく、崩壊の過程である。

アメリカ文学を代表する作家、F・スコット・フィッツジェラルドの
遺稿集に収録された短編、「崩壊 The crack-up」の第1文だ。

私たちの身体、ある意味ですなわち人生は、
常に崩壊の過程にある。

1920年代、ジャズ・エイジ。
第一次大戦が終わり、人々が踊り楽しむ、開放的な時代。

時代の寵児が遺した言葉は、
その明るいイメージとのコントラストとともに、突きつけられる。

2023年10月22日

執筆者若杉茜

Photo by Emma Simpson on Unsplash

身体のはなし 「カンギレムの健康」

フランスの哲学者、ジョルジュ・カンギレム。
彼は、健康をこう定義した。

Etre en bonne santé c’est pouvoir tomber malade et s’en reveler,
C’est un luxe biologique.

良き健康に恵まれるとは、病気になり、回復できるということだ。
それは生物学的贅沢である。

私たちが最も欲しい贅沢は、
いつも結局、これかもしれない。

2023年10月22日

執筆者厚木麻耶

Photo by Robert Thiemann on Unsplash

身体のはなし 「身体の保存」

古代エジプトでは、
死後も身体をできるだけ生前の状態に近い形で残すこと、
つまりミイラをつくることに異様に執着した。

それは、死後の世界で生き続けるには
保存された身体が必要であると考えられていたから。

身体は命を入れる器。
それを保存することで、命が帰る場所を用意した。

2023年10月22日

執筆者厚木麻耶

身体のはなし 「エリーザベト」

美しさを追求し続けた
かつてのオーストリア皇后、エリーザベト。

小さな王国で自由に育った彼女は
16歳で嫁いだ宮廷の厳格なしきたりに馴染まず、
ことあるごとにウイーンから逃避した。

その一方でヨーロッパ一といわれた美貌をを保つ努力は怠らず、
過度なダイエットでウエストはわずか50cm、
くるぶしまである長い髪を1日3時間かけてケア、
背中が曲がらないよう枕は使わずに寝ていたという。

美しさがエリーザベトのプライドだった。

2023年10月22日

執筆者茂木彩海

身体のはなし 「食への欲求」

身体は食べたものでできている。
だからといって身体に良い食べ物ばかりでは味気ない。

そんな葛藤はどんな時代にもあったようで。
かの松尾芭蕉も、食に関するこんな句を残している。

あら何ともなや 昨日は過ぎて 河豚(ふぐと)汁

ふぐの毒に当たらず今日を迎えることができた。
と喜ぶこの句。

我慢するストレスと、食べる楽しみと。
身体に良いのは一体どっち。

2023年10月22日

執筆者渡邊清子

身体のはなし 「病と自己理解」

病人というものは、
正常な人よりも己れの魂により近く迫るものだ。

フランスの作家プルーストが、
「楽しみと日々」の中で綴った言葉。

病は遠ざけたいものではあるが、
いのちを見つめることで心の奥深くに触れ、
真の自分に出会う時間にもなる。

2023年10月21日

執筆者波多野三代

Photo by Ana Emília Carneiro

〜秋の祭り〜
ドイツのオクトーバーフェスト

日本にも浸透してきたビールの祭典、
オクトーバーフェスト。

この祭りはミュンヘンから始まった。
バイエルン王国皇太子の結婚式が由来だが
元々、10月は寒い時期に熟成する
ラガービール醸造の季節でもあった。

ただ、これだけでは夏までビールを飲むことができない。
そこで腐らないようアルコール度数の高いビールが、
春先に作られることとなった。
オクトーバーフェストは、夏を越したビールを全て飲み干すため
生み出された祭りでもある。

さあ、今年も樽の蓋が開く。

〜秋の祭り〜