2023年08月12日
佐藤理人
お盆の裏話 「庶民へ」
お盆の行事が日本で初めて行われたのは、
606年7月15日、推古天皇の時代のこと。
50年後、斉明天皇の時代になると、
お盆は宮中の重要な仏教行事となった。
お盆が庶民に広まったのは江戸時代だという。
江戸時代に入り、仏壇や提灯に必要なロウソクが、
大量生産で安く手に入るようになると、
お盆は庶民の間に瞬く間に広まっていった。
2023年08月12日
お盆の行事が日本で初めて行われたのは、
606年7月15日、推古天皇の時代のこと。
50年後、斉明天皇の時代になると、
お盆は宮中の重要な仏教行事となった。
お盆が庶民に広まったのは江戸時代だという。
江戸時代に入り、仏壇や提灯に必要なロウソクが、
大量生産で安く手に入るようになると、
お盆は庶民の間に瞬く間に広まっていった。
2023年08月12日
お盆の行事食のひとつに
おはぎ がある。
餡に使われる小豆の赤色には魔除けの意味が、
餅米には五穀豊穣の祈りが込められている。
餅米を餡子で包むお菓子には「ぼたもち」もあるが、
実は両者はほぼ同じものだ。
牡丹の花が咲く春に食べるから「牡丹餅」。
萩の花が咲く秋に食べるから「御萩」。
餡子と餅米、2つの素材を合わせることから、
ご先祖様と自分の心を合わせる意味もあるそうだ。
2023年08月12日
お盆の時期は一般的に8月15日前後。
だが東京など一部の地域では7月に行われる。
1872年、
明治政府が旧暦を新暦に切り替えたことで、
1ヶ月前倒しになったのがその理由。
政府の力が強い東京周辺では、
新暦への切り替えはスムーズだった。
一方、地方では、
新暦の7月は農作物の収穫で忙しい。
昔からの風習を変えるのも難しく、
旧暦のままお盆を行うようにした結果、
現在の「8月盆」が全国的に定着した。
2023年08月12日
京都の「五山の送り火」と長崎の「精霊流し」。
8月16日の「送り盆」に行われる、
有名な二つの催しには共通点がある。
「五山の送り火」では、
京都を囲む5つの山に書かれた巨大な文字を燃やす。
「精霊流し」では、
ご先祖様の霊を灯りをともした小船に乗せ、
大きな掛け声や爆竹の音で極楽浄土へ送り出す。
火で燃やし、水に流すことで、
この世の厄災をあの世へ持っていってほしい。
そんな残された者たちの願いが込められている。
2023年08月12日
お盆の時期にもっともやってはいけないこと。
それは水辺にいくこと。
お盆はあの世からご先祖様が帰ってくる時期。
供養されない魂は行き場をなくし、水辺に集まる。
海や川に入ると、死んだ人の霊に足を引っ張られ、
連れていかれると恐れられた。
そこには、8月は台風や高波が発生しやすく、
水難事故のリスクが高まるという背景がある。
お盆の時期の水辺には数多くの危険が潜むという、
昔からの言い伝えは21世紀の今も有効である。
2023年08月12日
盆踊りのルーツは仏教にあった。
鎌倉時代、時宗の創始者・一遍上人が、
鉦と太鼓を打ち鳴らし、踊りながら念仏を唱える、
「踊り念仏」を広めた。
輪になって念仏を唱えながら、延々と踊り続ける。
救済の喜びを全身で表現する、
その奇妙な信仰はお盆の習慣と結びつき、
死者の霊を供養する「盆踊り」として定着。
人々は衣服がはだけるのも気にせず踊り狂い、
盆踊りは大ブームとなった。
江戸時代に入ると、信仰より芸能の色合いが濃くなり、
各地で衣装、振り付け、道具、音楽が独自の進化を遂げた。
当時、男女が集まる行事はほぼなく、
出会いの場としても大いに機能した。
ところが1874年、明治時代になると、
風紀を乱し近代化の妨げになるとして、
盆踊りは政府から禁止されてしまう。
それからも盆踊りは戦争、震災、パンデミックなどの
災いによって中止を余儀なくされる。
しかしその度、人々の交流の場として復活を遂げてきた。
2022年11月、盆踊りをはじめ、
お囃子に合わせて踊る日本の民俗芸能「風流踊」は、
時代を超えた文化的・社会的価値が認められ、
ユネスコの無形文化遺産に登録された。
2023年08月06日
今夜は、背筋をほんのり涼しくする、妖怪の小話を。
日本には、約300種類の妖怪がいるらしい。
災害の多い日本の自然環境が、そうさせたとも。
大地震を引き起こす大ナマズ。
台風を呼ぶ一目連(イチモクレン)。
カッパも、水害の原因とされた。
原因不明の現象は、恐怖を生む。
人々の不安を和らげるのに、
妖怪の存在が、一役買っていたのかもしれない。
2023年08月06日
今夜は、背筋をほんのり涼しくする、妖怪の小話を。
日本には、約300種類の妖怪がいると言われているが、
一体何がしたいのか、わからない妖怪も多い。
妖怪「すねこすり」。
突然現れ、足元をチョロチョロし、歩きにくくする。
だからなんだ、ということでもないが、
何もないところでつまずいたときの、
言い訳にはピッタリ。
妖怪とは、日頃感じてきたことが形になったもの。
妖怪漫画の第一人者、水木しげるの言葉。
2023年08月06日
今夜は、背筋をほんのり涼しくする、妖怪の小話を。
スメタナ作曲、モルダウ。
チェコの大河モルダウの姿を、源流からプラハまで、
9つのパートで表現している。
その5番目のパートは、
「月の光、水の精の踊り」と題されているのだが、
この水の精とはどんなものだろうか。
チェコでの呼び名は、「Vodník(ヴォドニーク)」。
緑色の肌をした水の魔物で、
馬や人を池に引きずり込むとされる。
似たような伝説は、西はヨーロッパから東は朝鮮半島、
その先の島国にまで伝わっており、
そこではカッパだとか沙悟浄だとか呼ばれているらしい。
カッパの起源はわかっていない。
ただ、情報伝達に一役買ったのは、
遊牧生活を送り、ユーラシア大陸の東西をつないだモンゴルだったとする説もある。
そう言えば、日本の河童は相撲が強い。
2023年08月06日
今夜は、背筋をほんのり涼しくする、妖怪の小話を。
カッパは、土木工事も得意らしい。
浅草のかっぱ橋や、大阪城の建設も、
カッパの力を借りたという伝説が残っている。
一方で、土木工事を手伝ったのは式神で、
それを用済みとなって川に捨てたところ、
カッパになったとも。