2023年07月22日

執筆者新井奈生

opdrachtgever: de Wed. J. van Nelle

曜日 #7

月、火、水、木、金、土、日。
古代の昔に名づけられてから、現在に至るまで、
7つの曜日は、太陽と月と5つの惑星の名前になっている。
・・・が、中には例外もある。

イタリア語、スペイン語、フランス語など
ラテン語をルーツに持つ言葉では、日曜日はそれぞれ
ドメニカ、ドミンゴ、ディマンシェと呼ぶ。
意味は「主の日」、つまり神に祈る日という名前に変わる。

また、ノルウェー語で土曜日は「ロールダーグ」、
意味は「沐浴の日」である。
1週間に1度、土曜に沐浴する慣習があったため、と言われているが、
普遍的なルールより地域の慣習を優先しているのが面白い。

このノルウェー語に加え、
英語、ドイツ語、オランダ語のルーツは
ゲルマン人の言葉に辿り着く。

ゲルマンルーツの言語であっても
火曜から土曜までの名付けは
5つの惑星に基づいているが、
少し味付けが変わってくる。
火星は英語でマーズ、なのに
火曜がチュースデイ、になる不思議はそこにある。
チュースデイの由来は、
火星を司るゲルマンの軍神「テュール」である。
古来、これらの惑星には対応する神々がいたが、
ゲルマン人は惑星の名前ではなく、
惑星を司る神の名前を曜日に転用したのだ。

ちなみに
日曜のサンデイ、月曜のマンデイも
ゲルマンの神の名前に由来しているが、
たまたま
神の名前と、それに紐づく惑星の名前が似ていため
混乱が少なく済んでいる。

しかし
水曜のウェンズデイ、木曜のサースデイ、金曜のフライデイ・・・は
あまりにも惑星の名前と異なっており
そのため、今、この瞬間も、曜日の名前は
英語学習の大いなる混乱要素であり続けている。

2023年07月16日

執筆者佐藤日登美

Photo by As6022014

「仙酔島」

広島県鞆の浦に浮かぶ仙酔島。
「仙人が酔いしれるほど美しい島」だからと、その名がつけられた。

外周5kmほどの小さな島だが、
五色の岩が連なる「五色岩(ごしきいわ)」が見られる場所でもある。
世界にも55ヶ所しかなく、日本ではここだけ。
青、赤、黄、白、黒の岩が海岸沿いに1kmばかり続いている。

仙人もここを訪れ、その力強さに魅了されたのだろうか。

2023年07月16日

執筆者蛭田瑞穂

「トリスタンダクーニャ島」

ギネスブックに
「世界一孤立した有人の島」と記録されている島がある。
南大西洋に浮かぶイギリスの海外領土、トリスタンダクーニャ島。

アフリカ大陸とアメリカ大陸の中間あたりに位置しているが、
ケープタウンとは2800キロ、
リオ・デ・ジャネイロとは3300キロほども離れている。
まさしく絶海の孤島。

そのため、上空約400キロを飛行する国際宇宙ステーションが
人が居住する最も近い場所になる、という冗談のような話もある。

2023年07月16日

執筆者森由里佳

Photo by B K on Unsplash

「アイラ島」

スコットランドの西南、アイラ島。
約4分の1がピートという泥炭で覆われるこの島は、
9つもの蒸溜所を持ち、それぞれ強烈な個性を持つウイスキーを創る。

泥炭とは、
ヘザーやヒースのような野草、
苔やシダなどの水生植物や海藻が長い年月をかけて堆積し、
炭のようになった泥のこと。
乾燥させて燃料として使うと、ウイスキーが独特の風味をまとう。

特にアイラ島の泥炭は海藻が多く、
堆積する時も乾燥させる時も潮風が染み込む。
アイラウイスキーが「海の香り」といわれる所以はここにある。

ところでこの泥炭、
15センチ堆積するのに
約1,000年もかかるという。

アイラウイスキーのグラスを傾けるその一瞬、
何千年もの島の時間が、あなたの中にも流れていく。

2023年07月16日

執筆者佐藤日登美

「大久野島」

瀬戸内海に浮かぶ大久野島は、
500〜600羽のうさぎが生息する「うさぎの島」だ。
しかし、「毒ガスの島」という別名もかつてあった。

昭和初期、
大久野島では旧日本陸軍が毒ガスの製造をはじめた。
当時の島民たちは強制移住させられ、
大久野島は地図からも消された。

いま大久野島は
温泉とウサギの人気リゾート地として地図に載っている。

2023年07月16日

執筆者蛭田瑞穂

Photo by Nanda Firdaus on Unsplash

「ジャワ島」

世界で最も人口の多い島は、インドネシアのジャワ島。
日本の人口を超える約1億5000万人が暮らす。

ジャワ島の名産品はカレーではなくコーヒー。
オランダの植民地時代に多くのコーヒー農園がつくられ、
独立後は島の主要産業となった。

ちなみに、プログラム言語のJava(ジャバ)はジャワ島に由来する。
コーヒー好きの開発者たちが好んで飲んでいたのが、
ジャワコーヒーだったという話。

2023年07月16日

執筆者蛭田瑞穂

Photo by fabulousfabs

「フロレアナ島」

捕鯨が盛んだった18世紀後半、
ガラパゴス諸島は捕鯨船の食料補給地点だった。

多くの国から多くの船員が訪れ、
故郷の家族に宛てて手紙を書いた。

その手紙を運ぶのもまた捕鯨船の船員だった。
これから向かう国宛ての手紙を見つけると、
船に載せて寄港先で投函した。

船員たちの善意がつなぐ、郵便網。

現在、ガラパゴス諸島のフロレアナ島には
無人のポストがあり、かつての船員たちの風習を
観光客が受け継いでいる。

2023年07月16日

執筆者佐藤日登美

Photo by cotaro70s

「しまなみ海道サイクリングロードの島」

瀬戸内の島々を楽しみたい人におすすめなのが、
しまなみ海道サイクリングロードだ。
広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶこの道は、
向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島の
6つの島を結ぶ約70kmのコース。
日本で初めて海峡を横断する自転車道でもある。

心地よい海風を感じながら自転車を走らせ、
休憩がてらに名物を楽しむ。
同じように見える島も、
それぞれに歴史や文化があることを感じる。

2023年07月16日

執筆者佐藤日登美

Photo by Meg Jerrard on Unsplash

「ガラパゴス諸島」

ガラパゴス諸島。

魚を食べるアシカやカツオドリ、
植物を食べるゾウガメやリクイグアナなど、
それぞれが争わない生き方を選択することで、
生態系バランスが保たれている神秘的な島だ。

争わずに、生きていく。

おや。
なんだか、どこかの島国に似ているかも。

2023年07月15日

執筆者小林慎一

Photo by Owen Williams, The Kasparov Agency.

マシンと人類 #1

ガリル・カスパロフは1985年に22歳でチェスの世界チャンピオンになった。

その年、当時世界最強のチェスコンピュータ32台を
同時に相手にし、すべて勝利。

15年間に渡りチャンピオンであり続け
世界王者を賭けた戦いで182勝を遂げた。

しかし、彼を有名にしているのは、この未だ破られていない
世界ランキング1位の最長記録ではない。

IBMの開発したチェスコンピュータ、
ディープブルーに負けたことが彼を伝説の人間にした。

その対戦の時のニューズウィークの表紙のタイトルは、
「頭脳による最後の抵抗」だった。