2023年06月24日

執筆者大友美有紀

Photo by Ippei & Janine

小笠原諸島「小笠原カントリーコード」

世界自然遺産に登録されている小笠原諸島には、
環境省が定める自然と共生するための10カ条、
「小笠原カントリーコード」がある。

1。貴重な小笠原を後世に引き継ぐ。
2。ゴミは絶対に捨てずに、持ち帰る。
3。歩道をはずれて歩かない。
4。動植物は採らない、持ち込まない、持ち帰らない。
5。動植物に気配りしながらウォッチングを楽しむ。
6。サンゴ礁などの特殊地形を壊さない。
7。来島記念などの落書きをしない。
8。全島キャンプ禁止となっているので、キャンプはしない。
9。移動はできるだけ自分のエネルギーを使う。
10。水は大切にし、トイレなど公共施設はきれいに使う。

このほかにも天然記念物や絶滅危惧種に対する
自主ルールやガイドラインが定められている。

人は、いとも簡単に自然を壊してしまう。
そのことを思い知らされる。

自然を守る。
強く心にとどめて、行動する。
その覚悟は、日々の暮らしでも必要なのかもしれない。

2023年06月18日

執筆者熊埜御堂由香

日本語のはなし 「さようなら」

さようなら。
どこか切ない響きを持つこの日本語。

語源は、「さようならば」という言葉だ。
源氏物語や竹取物語など、
平安時代の文学では別れの場面でよく使われている接続詞。
「さようならばお別れしましょう」の後半を省いて余韻を残している。

さようなら。
また会えるのか?会えないのか?
言葉にしないところが日本語の奥ゆかしさかもしれない。

2023年06月18日

執筆者熊埜御堂由香

日本語のはなし 「ひらがなとカタカナ1」

日本語。
漢字、ひらなが、カタカナ、3種類もの
文字を使う言語はめずらしいそうだ。

ひらがなもカタカナも平安時代に万葉仮名から生まれた。

画数が多い万葉仮名を、日常使いできるように書きくずしたのがひらがな。
一方でカタカナは、漢字の一部のみを使って簡略化し、
漢文を学ぶときのメモに使った。

中国から学んだ漢字を
日本語として成熟させていく中で
ひらがなとカタカナは、なくてはならない文字だった。

2023年06月18日

執筆者若杉茜

Photo by Jan-Willem on Unsplash

日本語のはなし 「夏の雨」

6月、梅雨。

変化もなく降り続く夏の始まりの雨を、
昔の日本では今よりずっと、多様な姿で捉えていたようだ。

日本語の雨にまつわる表現は、百以上あるという。
この時期の雨も、たくさんの細やかな姿が言葉に残っている。

たとえば梅雨の別称は、
栗の花が落ちる時期と梅雨が重なることから、墜栗花雨(ついりあめ)。

草木を潤す恵みの雨、甘雨(かんう)。

青々とした草木に降る雨、翠雨(すいう)。

明るい空から降る夕立、白雨(はくう)。

涼しさを運ぶ雨、涼雨(りょうう)。

卯の花を腐らせるくらいに降り続く、卯の花腐し(うのはなくたし)。

七夕の日に降る、織姫と彦星の別れの涙かのような、洒涙雨(さいるいう)。

雨が続いたら、その名前を考えてみる。
今年はそんな梅雨の過ごし方も、悪くないかもしれない。

2023年06月18日

執筆者若杉茜

日本語のはなし 「ひらがなとカタカナ2」

日本語の2つの文字、ひらがなとカタカナ。
カタカナは、外来語を表現する際に使われるという印象が
今は強いが、戦前までは全く違った存在だった。

当時、カタカナは主にオフィシャルな用途の文字。
官公庁の公文書や裁判所の判決もカタカナ文語で書かれ、
小学校でも、ひらがなよりも先に教えられていた。

現在はビジネスやイノベーション領域で
新たな活躍の場を見出したカタカナ。
またのちの時代には、別の活躍を見せるかもしれない。

2023年06月18日

執筆者茂木彩海

日本語のはなし 「『不細工』の成り立ち」

明治になって鉄道ができるまで
庶民の旅は自らの足だけを頼りにする過酷なものだった。

身軽に移動するため、旅人たちは
折りたたみできる扇子や、お重形お弁当箱など
持ち物にさまざまな細工を施した。

工夫がなく出来の悪いものは「不細工だ」と、揶揄されたという。

山あり谷あり、
日本の地形の険しさが生んだ日本語のはなし。

2023年06月18日

執筆者茂木彩海

Photo by Rawpixel Ltd

日本語のはなし 「『です』の歴史」

語尾に使う「です」という2文字。

その歴史は室町時代にさかのぼり、
狂言の台詞の中に限定されて使われていた。

その後江戸時代には歌舞伎役者や侍、医者など上流階級で
使われるようになったが、当時は
相手を見下すようなニュアンスで使われていたという。

今では丁寧な表現として使われる「です」。
真逆の使われ方をしている、面白い「です」の歴史。

2023年06月18日

執筆者厚木麻耶

日本語のはなし 「存続の危機」

当たり前に使っている日本語。
実は過去に、存続の危機があった。

明治初期、発展途上の日本では
西洋の技術や知識を取り入れる動きがあったが、
多くの人にとって英語が障壁となってしまう。

そこで「社会」や「経済」という言葉すらなかった日本語をやめて
英語を公用語にするという意見が出た。

しかし、明治政府は全ての知識を日本語に翻訳する国策を採用した。
庶民が国の重要な問題に参加できなくなることを恐れたのだ。

私たちが今、日本語を使えるのは、誰かが守ってくれた結果だ。

2023年06月18日

執筆者厚木麻耶

日本語のはなし 「犬の鳴き声」

ビヨビヨ。
これは平安時代の物語「大鏡」に出てくる犬の鳴き声。

当時の犬は放し飼いのためか
今より野性味のある声だったそうだ。

「びよ」あるいは「びょう」などで表現された犬の声は
ペットとしての生活が始まるとともにワンワンへと変化。

さらに1000年後、犬はどう鳴いているだろう。

2023年06月17日

執筆者長谷川智子

Photo by Lindsay

おいしい映画 「初恋のきた道」

チャン・ツィーの映画デビュー作、
中国映画「初恋のきた道」は、
農村に住む少女の初恋を描いた物語。

初恋の相手は、
都会からやって来た青年教師。

思いを伝えられないうちに、
彼が都会へ帰る日がやってくる。
少女は彼のためにギョーザをつくる。
蒸し器から立ち昇る蒸気と真っ白なギョーザ。
ピュアな恋心があふれだしそう。
彼にギョーザを食べてもらえるのか?
恋の行方はどうなるのか?

おなかはぺこぺこ、胸はいっぱい、
そんなラストが待っている映画です。