2023年04月30日

執筆者名雪祐平

無は無 「モナリザの髭」

モナリザの肖像画の
ちっぽけな絵葉書。
その顔に、鉛筆で髭を描いた。
まるで、こどもの悪戯。

これでも芸術?
1919年、マルセル・デュシャンが発表。

タイトルは『L.H.O.O.Q』
フランス語で「彼女のおしりは熱い」
性的に興奮した女性を意味した。

デュシャンは、つねに言いつづけた。

“私は何もしていない“

2023年04月30日

執筆者名雪祐平

Photo by Ryohei Noda

無は無 「破壊の眼」

一台のメトロノーム。
振り子に、女性の眼の写真が取り付けられ、
カチ、カチ、カチ………
揺れる眼。こっちを見つめる。

1923年、マン・レイが作った前衛作品、
『破壊されるべきオブジェ』

34年後、
学生の一団によってピストルで射撃され、
その名の通り破壊されてしまう。

その後、マン・レイは
同じシリーズを約300個も作る。
1974年、最後のタイトルは、
『破壊するな』

マン・レイの墓には、こうある。

“無頓着、しかし無関心ではなく”

2023年04月30日

執筆者名雪祐平

無は無 「自動筆記」

速く、文章を書く。
もっと猛スピードで書く。
思いつきをつぎつぎつぎつぎ。

すると、理性が消えていく。
主語がなくなる。
動詞は名詞のようになり、
過去形は現在形に変わる。

文法は無視され、意味不明。
言葉がコラージュされた世界。

これが、シュールレアリスムの起源。

詩人アンドレ・ブルトンが提唱した
この「オートマティズム:自動筆記」は、
多くの芸術家に飛び火した。

意識を無くす。狂気が生まれる。

シューーール。

2023年04月30日

執筆者名雪祐平

無は無 「有と無」

「有」がある。
「無」がある。

では。
有の反対が無?

いえ。
有が存在しても、その反対に
無は存在しない。
なぜなら、無だから。

無は無。
そんな哲学があるそう。

さて。
今夜の夢は、有か無か。

2023年04月29日

執筆者河田紗弥

Photo by Sendai Blog

全国ご当地メシ 『牛タン』

仙台へ行ったら何を食べる?
ずんだに、海鮮、おいしいものはたくさんあるけれど、
やっぱり食べたくなるのが牛タン。

でも、なぜ仙台で牛タンがご当地メシに?
それは戦後にまで遡る。
当時は手軽にできる焼き鳥屋がブーム。
牛タンの名店『味太助』の初代の店も
そのなかの一軒だった。

似たような店が多く、
誰にも真似できないメニューを…と葛藤している中で
出会ったのが牛タン。

当時は入手が難しかった牛タンを奔走しかき集め、
日本人の好みの味付けやカット、調理法など工夫を重ね
今の仙台の牛タンが確立された。

2023年04月29日

執筆者河田紗弥

全国ご当地メシ 『牛タン』

戦後の仙台で誕生した牛タン。
初めは、一部の愛好家の間でのみ楽しまれていた。

そんな牛タンをご当地メシにまでのし上げたのは
高度成長期に仙台にやってきた転勤族や単身赴任者だった。

牛タンはうまいと評判になり、
やがてヘルシーの面でメディアの話題に。
さらにお土産や新幹線の車内販売で
一気に仙台のご当地メシへと成長していった。

2023年04月29日

執筆者河田紗弥

全国ご当地メシ 『八丁味噌』

かけてみそ。つけてみそ。食べてみそ。

おでんに、カツに、うどんに…
名古屋のご当地メシには、味噌がつきもの。

この起源は、江戸時代へと遡る。

八丁味噌はその昔、
愛知県三河出身の徳川家康がこよなく愛したと言われている。

時の天下人、家康公のご機嫌をとるために、
外様大名たちもこぞって八丁味噌を使ったことから、
その地に食文化として根付いていった。

徳川家康の健康を支えた「麦飯と豆味噌」の味噌である。

2023年04月29日

執筆者河田紗弥

Photo by urasimaru

全国ご当地メシ 『明太子』

“ご当地メシ”がたくさんある福岡。
その一つの明太子。

明太子の原料はスケトウダラの卵巣。
そしてスケトウダラの卵の日本における主な漁場は北海道と三陸。
では、なぜ明太子が博多で有名になったのか。

明太子のルーツは、韓国にある。
韓国にはキムチに代表されるように
唐辛子に漬け込んだものを食べる食文化がある。

そのため、スケトウダラの卵も唐辛子に漬け込んで食べていたという。
韓国では、スケトウダラの卵を「ミョンテコ」
これが転じて、「明太子」になったのだ。

戦前、韓国・朝鮮半島にはたくさんの日本人がいた。
「ふくや」の創業者もそのひとり。
小さい頃からミョンテコを唐辛子漬けにする光景を見ていた彼は
昔食べたあのミョンテコを再現しようと試行錯誤を繰り返し、
ようやく販売にこぎつけたのが昭和24年1月のことだった。
のちの福岡の”ご当地メシ”明太子の誕生だ。

2023年04月29日

執筆者河田紗弥

全国ご当地メシ 『うどん』

うどん県と言われるほど、うどんが”ご当地メシ”な香川県。
でも、なぜここまでうどんが盛んになったのだろうか。

うどんの原料となる小麦。
香川県は温暖で晴天が多く、気象災害が少ない地域。

そんな水不足と上手に付き合ってきた結果、
小麦の生産が盛んになった。
小麦は醤油の原料にもなった。

また、うどん作りにおいて、おいしい塩も欠かせない。
香川は広大な塩田が開発され、
日本有数の塩の産地だった。

小麦・醤油・塩、そしておいしい水、
すべての最高な材料が揃った結果、
うどんは香川県の”ご当地メシ”になったのだ。

2023年04月29日

執筆者河田紗弥

全国ご当地メシ 『きりたんぽ』

全国ご当地でさまざまな鍋料理があるが、
その一つの秋田の”ご当地メシは”きりたんぽ鍋。

そのきりたんぽは、220年以上前の
奥羽山脈の北方にある山深い秋田県鹿角地方で生まれたと
言われている。

山仕事をする男たちは
お櫃の蓋と使って、ご飯をおにぎりの形に整え、
山に持っていっていた。
しかし食べる頃には、冷え切ってしまっているおにぎり。
そんな冷えたおにぎりを、
温めて食べる方法はないかと試行錯誤をした彼らは
木の棒に巻きつけ、焚き木で焼いて食べる工夫をした。

その完成したものが、蒲の穂に似ていることから
短い穂の意味の「短穂(たんぽ)」と呼ばれるようになった。

明治時代になると、鍋料理に切って入れるようになったことから
「切りたんぽ」と呼ばれるようになり、
秋田の”ご当地メシ”として定着していった。