2024年02月25日

執筆者松岡康

Photo by Prashanth Paravastu on Unsplash

モモの言葉より 「急がば回れ」

時を超えて愛される児童文学「モモ」には
今こそ読み返したい言葉がある。

仲間を守るため、
案内役のカメ“カシオペイア”と共に
時間の国へ向かうモモ。

オソイホドハヤイ

急ぎたいときこそじっくり着実に進もうという
シンプルなメッセージ。
今の時代にも強く心に響く。

2024年02月24日

執筆者廣瀬大

Photo by Joseph Gonzalez on Unsplash

瞑想 #1

床か椅子に腰かけ、
軽く目を瞑る。
深呼吸をしながら、
身体をリラックスさせ
なにかをしようとするのをやめて、
ただ「いま・ここ」に身を任せる。

最近ではマインドフルネスとも呼ばれる瞑想。
ウィスコンシン大学の神経科学者チームによると、
マインドフルネスを8週間実践するだけで、
その人の幸福感が上がるという。

ただなにもしない時間を過ごす。
それだけで人は幸福になれる。

2024年02月24日

執筆者廣瀬大

Photo by Matt Hardy on Unsplash

瞑想 #2

浮かんでいる無数の雲を気にすることなく、
その上に広がる青空を見つめ続ける。
瞑想とはそういうものだという人がいる。

絶えず動き変化している海の波。
その下に広がる静かな海底の世界に潜っていく。
瞑想とはそういうものだという人もいる。

泥水の入ったコップをテーブルに置く。
しばらくして泥が下に沈み、水が澄んでくる。
瞑想とはそういうものだという人がいる。

なにはともあれ、
瞑想とは実践あるのみ。
なのだろう。

2024年02月24日

執筆者廣瀬大

Photo by Père Ubu

瞑想 #3

「ツイン・ピークス」「エレファント・マン」、
「マルホランド・ドライブ」などのカルト映画で
知られるデイヴィッド・リンチ監督。 

彼もまた若い頃から瞑想を日々の生活に
取り入れていることで知られている。
1日に2回瞑想をすることで、
誰もが内側に持つ大きな海にたどり着くそうだ。 

内に持つ海に達すると、
知性や創造性、幸せや愛、エネルギーが拡大していき、
ストレスや不安、鬱、恐れといった
ネガティブな感情がなくなっていくという。

ポール・マッカートニーや、
クリント・イーストウッドなど
瞑想を取り入れる世界的アーティストは多い。

2024年02月24日

執筆者廣瀬大

Photo by Anurag Challa on Unsplash

瞑想 #4

ある瞑想の指導者は言う。
「瞑想の素晴らしいところは
なにもしなくていいということです」

常にやらなければならないことに追いかけられる現代人。
やることがなくなると不安になる現代人。
それはまさに自分で自分を忙しくしているかのよう。

そんな現代社会を生きる人に必要なのは
「なにもしないこと」。
瞑想によって脳の形が変わるという研究結果も
報告されている。

2024年02月24日

執筆者廣瀬大

Photo by Koziro Hasegawa

瞑想 #5

人間はなにもしないということが苦手だという説がある。

脳は自分を守るために、常に
「次、こうすれば、こうなるかも」
「次、こんなことがあれば、こんなことになってしまう」
「前回、こんなことをしなければ、こんなことにならなかったかも」
とシミュレーションを繰り返す機能を持っている。

人間はなにもしていないとき、
そんな頭の中の声を聞き続けることになる。

だから、人は友人との会話やTV、映画やゲーム、
スポーツや仕事といった、
夢中になれることを必要としているという。

人は自分の頭の中の声を聞きたくなくて、
忙しくしている。とも言えるのかもしれない。

そう考えると、
瞑想は頭の中に思考の声が溢れる中、
その声に耳を貸すことなく、
起きていることをただ感じることだと言えるかもしれない。

脳の暴走する思考を、
どうにかしようとすることなく、
ただそのままにして、起きていることに身を任せる。
「いま・ここ」を生きる。

ボストン大学の研究チームは、
さまざまな疾患を持つ患者の不安や抑うつの治療において
瞑想が効果的だと伝えている。

お金がかかることもなく、
依存症になることもなく、
ただ、目を閉じて身を任せるだけ。
なにかに取り組むことではなく、
なにもしないことで人は幸福になっていく。
それが現代人を救う瞑想の力だ。

2024年02月18日

執筆者熊埜御堂由香

Photo by Quinn Dombrowski

受験のはなし 「合格達磨」

受験を終えて、ほっと一息。
合格祈願のだるまさんに、
片目を入れた人もいるかもしれない。

あのコロンとした姿のモデルとなったのは、
達磨大師というインドの僧侶。
壁に向かい座禅を組む、過酷で孤独な修行を9年続け、
手足を失ったと伝わる。

今のような、だるまさんが作られるようになったのは江戸時代。
当時、天然痘が流行し、失明して苦しむ人が多かった。
そこで目のない達磨を持ち帰り
家庭で目を入れて厄除けをする風潮が生まれたという説がある。

現代でも、だるまさんは多くの人を励まし続けている。
七転び八起きの精神で、
鉛筆を握り続けた受験生のみなさん。
本当におつかれさまです。

2024年02月18日

執筆者熊埜御堂由香

Photo by J Lee on Unsplash

受験のはなし 「サクラサク」

サクラサク。つまり合格。
1956年に早稲田大学の「合格電報」で使われた言葉だ。
遠方に住む受験生のため、合格発表の結果をいち早く知らせる

学生アルバイトがはじまり。

カタカナだけの電報ならではの表現だが、
そこには、おめでとう、の温かな気持ちが流れている。

2024年02月18日

執筆者若杉茜

Photo by Dick Thomas Johnson

受験のはなし 「受験の裏方」

受験期の教師集まりやすきかな

こう詠んだのは、高校教員でもあった俳人・森田峠。

主役の受験生たちへのスポットライトの裏で、
先生たちもまた、連日あつまり準備に奔走する様子が描写される。

懸命に勉強をする受験生たちのしらぬところで、
頭をひねり問題をつくる側もまた、懸命だ。
 
受験にかかわるすべてのひとたちに、
がんばれと、おつかれさまを。

2024年02月18日

執筆者若杉茜

受験のはなし 「蛍雪時代」

蛍の光や、雪明かりを使ってでも書物をひもとき学問を修める。
蛍雪の功、はそんな姿を指す。
 この「蛍雪」を冠した雑誌が、蛍雪時代。
前身となる受験旬報の創刊は1932年。
92年の歴史を持つ、日本最古の受験雑誌だ。
時に通信添削の、時に文学少年たちの作品発表の場にもなりながら、
変わらず日本の受験生たちを応援し続ける。
蛍の光や雪明かりで勉強はしなくとも、
いつの時代にもひとりひとりの受験には苦労がつきもの。
それぞれの「蛍雪時代」に、エールを送りたい。