2023年04月22日

執筆者長谷川智子

Photo by cozymax

山菜とアースデー 「山菜採りのルール」

タラの芽、ふきのとう、こしあぶら
春のごちそうである山菜は、野山に自然に生える植物。
人間が畑で育てる野菜とは、そこが違う。

だから、山菜採りには昔からのルールがある。
根こそぎとらない
食べられる分だけとる。
みんなでおいしさを分かち合うために。
来年もまたおいしくいただくために。

大地の恵みを次の世代へ。
今日は、アースデーです。

2023年04月22日

執筆者長谷川智子

山菜とアースデー 「クマとふきのとう」

春、まだ雪の残る山の中、
クマたちは冬眠から目を覚ます。
腹ペコのクマがはじめに食べるのは、
地面から顔を出したばかりのふきのとう。

ふきのとうに含まれる成分が
冬の間、体内に溜まった毒素を排出するのを助けてくれる。
人間の体が、春、山菜を求めるのも同じことらしい。

大地の営みって不思議。
今日は、アースデー。

2023年04月22日

執筆者長谷川智子

山菜とアースデー 「上杉鷹山と山菜」

江戸時代、日照りや冷害などで稲が不作になり、
たびたび飢饉が起きた。

そこで、山形米沢藩の殿様、上杉鷹山は、
山菜など野草の食べ方を本にまとめた。

「こごみは茹でて水にさらせば、すぐに食べられる。
わらびはあく抜きが必要。
たらの芽は味噌和えがよい。」

など、今に通じる調理方法が記されている。
この本のおかげで、
不作の年も、山形藩の餓死者は少なかったそうだ。

大地の恵みと共に生きる。
今日はアースデー

2023年04月22日

執筆者長谷川智子

Photo by K.Hatanaka

山菜とアースデー 「アクが強い」

「あの人、アクが強いから~」
個性が強くて、仲良くなりにくい人のことを「アクが強い」と表現する。

アクとは、山菜などに含まれる「苦味、えぐみ、渋み」の成分。
料理の前に、ゆでたり、水にさらしてアク抜きをしないと、
イヤな味が強くて食べにくい。
でも、アク抜きをしすぎると
ポリフェノールなどの栄養が減ってしまう。

人間も、「あいつ、アクが抜けちゃったな」と言われたら
丸くなりすぎた感じで残念だ。

大地の恵みから人生も学ぶ。
今日はアースデー

2023年04月22日

執筆者長谷川智子

Photo by Tatsuo Yamashita

山菜とアースデー 「うどの大木」

山菜のうどは、
成長すると約2メートルにもなる。
成長したうどは食べられないし、草なので建築などにも使えない。
「うどの大木」。
カラダばかり大きくて役に立たないことを意味する
ことわざの由来である。

さて。うどは、春先に土から顔を出す新芽がおいしい。
漢方では、神経をしずめたり、むくみをとるために使われる。
これからの季節に気になる日焼け対策にもよいそうだ。
山菜はおいしい時期を見逃さず。

大地の恵みに感謝。
今日はアースデー

2023年04月22日

執筆者長谷川智子

photo by d'n'c

山菜とアースデー 「万葉集」

岩ばしるたるみの上のさわらびの
もえいづる春になりにけるかも

万葉集、春の歌を代表する一首。
雪どけ水流れる滝のほとり、緑鮮やかなわらびが顔を出す。
そんな春になったのだなあ。
と、春の訪れを喜ぶ歌。

この歌に登場するわらびの他に、
万葉集には、ふき、せり、のびる、ヨメナなど20以上の山菜が登場する。
「びるを刻んで酢醤油と一緒に鯛にかけて食べると美味しいなあ」
なんて、よだれが出そうな食いしん坊な歌もある。
山菜は、古代からずっと、日本人に春の訪れを知らせる特別なごちそう。

だから山菜取りは、食べ物だけでなく春を探す特別な楽しみ。

君がため春の野に出て若菜つむ
わが衣でに雪はふりつつ。

これは思いを寄せる人にプレゼントする若菜、つまり山菜を摘みに野原にでかけた。
緑の野に、名残りの雪がちらついて美しいという意味だ。

ちなみに早蕨の歌は志貴皇子のお歌。
若菜の歌は光孝天皇の御製。
その昔、山菜採りは皇族や貴族の娯楽でもあったようだ。

大地の恵みを味わい、楽しむ、そんな暮らしが続きますように。
今日は、アースデー。

2023年04月16日

執筆者熊埜御堂由香

Photo by Laura Chouette on Unsplash

色彩のはなし 「最高の色」

フランスのファッションデザイナー、ココシャネルが
こんな言葉を残している。

La plus belle couleur du monde est … une couleur qui vous convient!

英語だとこんな言葉になる。

The best color in the whole world is the one that looks good on you.

さて、日本語は…

世界で最高の色はね、あなたに似合う色のことよ。

自分に似合う色を探して歩く、
今日を生きるとはそういうことなのかもしれない。

2023年04月16日

執筆者熊埜御堂由香

Photo by Yamada Mutsuki

色彩のはなし 「和のネイル」

日本最古の絵の具屋、京都の上羽絵惣(うえばえそう)。
初代が1751年に創業して以来、
日本画に使われる岩絵具を中心に商いを続けてきた。

しかし、バブル崩壊後、日本画の画材市場は10分の1に縮小。
取り扱う和の1200色を守りたい。
新しいチャレンジとして、
2010年、貝殻から作られる顔料「胡粉」を
使ったネイルを発売。
爪に優しく、鮮やかな発色でたちまち人気に火がついた。
胡蝶ネイルは、和の色の美しさを、
爪の先から伝え続けていく。

2023年04月16日

執筆者若杉茜

Photo by Pember_

色彩のはなし 「昔の4色」

黒々とした髪。
白々と明ける夜。
赤々とした夕焼け。
青々と輝く海。

日本語に古くからある色の名前は、実はとても少ない。
黒、白、赤、青の4色が、一番古いとされている。

黒々、白々、赤々、青々。
一番古いこの色たちにしか、
この、2つ名前を重ねる表現はできないのだ。
さらにいえば、赤い、黒いなどのように
「い」をつけて形容詞になるのもこの4つの色だけだ。

黒、白、赤、青。
この4色に出会ったら、
その歴史にすこしだけ、思いを馳せたい。

2023年04月16日

執筆者若杉茜

Photo by Jean-Pierre Dalbéra

色彩のはなし 「アンリ・マティス」

色彩の魔術師と呼ばれたフランスの画家、アンリ・マティス。

強烈な色彩で感情を表現し、野獣派とも呼ばれた彼は、

色についてこう語る。

Color, even more than drawing, is a means of liberation.
色彩とは、絵を描くこと以上に、解放の手段である。

色と心。
その結びつきは、我々が気づいている以上に強い。