2023年03月25日
澁江俊一
100年前の世界へ 『銀ブラ』
100年前へ、行ってみよう。
1923年、日本は大正時代。
テレビもない。
ラジオ放送さえ始まっていない
当時の流行語は「銀ブラ」
短い髪に帽子をかぶり
最新のファッションを着こなしたモダンガールが
街を歩き、喫茶店でコーヒーを飲んだ。
100年前。
想像もつかない昔だが
そのワクワク感は、
今でも想像できる。
2023年03月25日
100年前へ、行ってみよう。
1923年、日本は大正時代。
テレビもない。
ラジオ放送さえ始まっていない
当時の流行語は「銀ブラ」
短い髪に帽子をかぶり
最新のファッションを着こなしたモダンガールが
街を歩き、喫茶店でコーヒーを飲んだ。
100年前。
想像もつかない昔だが
そのワクワク感は、
今でも想像できる。
2023年03月25日
100年前へ、行ってみよう。
ハリウッドのランドマークは
丘の上に立つHOLLYWOODの白い文字。
ハリウッドサインと呼ばれる
この看板は100年前の1923年に
地元の不動産広告として建てられた。
当時はHOLLYWOOD LAND
という文字だった。
やがて
映画産業の成長と共に
不動産から映画のシンボルとなり、
今では世界で最も愛される
看板のひとつとなっている。
2023年03月25日
100年前へ、行ってみよう。
1920年代のアメリカは、
「禁酒法」の時代。
お酒を作ることや売ることは
厳禁だったが、飲むことは
処罰されなかった。
というより処罰する手段など
当時はなかった。
闇酒場が賑わい、若者や女性たちも
お酒を楽しんだという。
禁酒法は14年間で廃止されたが、
カナダのウイスキーや
テキーラ、ラムなどアメリカ周辺の
アルコール文化が
花開くきっかけになった。
2023年03月25日
100年前へ、行ってみよう。
2枚のガラス板、ヒューズ線、
そして埃などの材料から作られた
複雑な構造物。
1923年、マルセル・デュシャンによって
ひとつのアート作品が生み出された。
そのタイトルは
「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」。
現在アートの創始者と呼ばれる
デュシャンは、受動的だったアートを、
能動的なものへと昇華させた。
作品を前に、感動する人、困惑する人。笑い出す人。
そんな人々の様子を見ながら
ニヤニヤしているデュシャンの顔が
目に浮かぶようだ。
2023年03月25日
100年前へ、行ってみよう。
映像と音声が同期した映画のことを「トーキー」と呼ぶ。
今では当たり前のこの技術を使った映画が
一般公開されたのは、今から100年前の
ニューヨーク、リボリ劇場でのこと。
別々に収録した映像と音声を
同期させる難題を、
音を光に変換してフィルムに焼き付ける方法で
クリアしたのだ。
この「音を光に変えて録音・再生する技術」は
サウンドオンフィルムと呼ばれ
その後、広く普及し、映画音声の主役として
長く活躍することとなる。
2023年03月25日
100年前へ、行ってみよう。
イタリア、フィレンツェ近くの農園で、
老人が昼休みに新聞を読んでいる。
ムッソリーニという男がこの国の元首となった
ことを知って、やれやれと頭を振る。
ドイツ、フランクフルトの街角で、
子供たちが遊んでいる。
ある日、突如として紙切れに成り果てた札束を
ブロック代わりに積み上げて。
ロシア、モスクワの小学校で、
男の子がノートを取っている。
先生が黒板に書いた
「ソビエト社会主義共和国連邦」
という言葉を一文字一文字丁寧に書き写す。
中国、古い街、長沙の港。
友人と反日運動に参加した若者が、
港に入ってくる日本海軍の艦船を
不安な表情で眺めている。
アメリカ、ニューヨーク。
証券会社に勤める男が、異常なほどの好景気に
浮かれながらも、こんなことはいつまでも
続かないと、ふと、思う。
日本、東京。
大地震のあとに大火がやってきて、
すべてを燃やし尽くしてしまった。
焼け野原に、煤で着物が真っ黒になった
ひとりの女がしゃがみこんでいる。
そして、やがて、ゆっくりと立ち上がる。
それから100年。
目には見えない大きな流れによって
世界は現在まで運ばれてきた。
その流れは偶然なのか、必然なのか。
ただひとつ確かなことは、
そのとき、その場所にいた人間、
ひとりひとりの生によって、
この100年が紡がれてきたということ。
その時間の先端に、あなたがいるということ。
そして今、あなたは夜空を見上げ
時代の流れに、耳を澄ます。
何も聞こえなくても、あなたは知っている。
いま、自分が何を為すべきなのかを。
あなたは知っている。
あなたが為す、すべてのことが、
100年後の世界につながっていることを。
2023年03月19日
卒業の季節にぴったりな花の一つが、
スイートピーだ。
花言葉は、「門出」。
花びらがまるで、
飛び立つ蝶のように見えることが由来だという。
時に幼虫のように懸命に進みながら、
蛹のように辛抱強く耐えながら。
それぞれの時間を共に過ごした学生たちは、
それぞれの場所へと飛び立っていく。
この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。
2023年03月19日
卒業式といえば、第二ボタン。
想い人である男子のボタンを、女子がもらう。
一説によると、その始まりは戦時中。
戦地に赴く男子が、
想い合う女子と別れる際に
第二ボタンを渡したのだという
ちなみにいまの主流は
第二ボタンではなく花束だそうだ。
どこにいても、繋がれる時代。
卒業は別れよりも、
祝いの意味が強くなったのかもしれない。
この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。
2023年03月19日
プリンストン大学卒業式で、
アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾスがスピーチした。
彼は幼い頃、タバコを吸う祖母を見て、
一息で2分寿命が縮まるという話を思い出す。
得意の計算で答えを導き出し、祖母に
「寿命が9年縮んだね」
と言った。
祖母は、泣き出してしまった。
ジェフは計算を誉めてもらうつもりだったのに。
驚く彼に、祖父は言った。
「賢くあるより、優しくある方が難しいのだ。」
ジェフはこう述べている。
賢さは才能であり、優しさは選択である。
私たちは結局、私たち自身の選択の結果なのだ。
学校で育んだ才能を活かせるかどうかは、
卒業後の選択に託されている。
この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。
2023年03月19日
「精一杯がんばった運動会」、
「楽しかった修学旅行」。
卒業生の一人一人が言葉を発する
「呼びかけ」は、卒業式の定番だ。
呼びかけを発案したのは、
昭和の教育者・斎藤喜博。
子どもたちの自主性を育む学校改革の一環だった。
コロナ禍で聴かれなくなった呼びかけの声、
今年は響きはじめている。
この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。