2023年03月19日

執筆者仲澤南

旅立つあなたに 「出光の卒業論文」


出光興産の創業者、出光佐三。
彼が残した卒業論文には、
既に石油の将来性が述べられていた。

時代はまだ石炭最盛期。
しかし出光は卒業して数年後には、
石油を扱う出光商会を立ち上げた。

彼は卒業論文ですでに石油の未来を見通していた。

この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。

2023年03月19日

執筆者仲澤南

旅立つあなたに 「卒業式の袴」


卒業式に着る袴は、
かつての女子学生の制服に由来する。

女子も進学し始めた明治時代。
動きやすい袴が制服となった。

しかし当時、袴は男性用。
世間の反発を浴びた。

そこで教育者の下田歌子は、
股の分かれていない
スカート型の袴を発明した。

女子に与えられた学ぶチャンスを、
生かすために
袴には、女子への希望が込められているのだ。

この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。

2023年03月19日

執筆者仲澤南

Photo by Elora .

旅立つあなたに 「旅立ちの日に」


卒業式の定番の歌、「旅立ちの日に」。
この曲は、ひとりの教師から生まれた。

卒業生に曲をプレゼントしたい。
その思いに応えたのは、校長だった。

校長が一晩で書き上げたという詞を見ると、
教師の中にメロディーが湧き上がり、
たった15分ほどで曲は完成した。

卒業生に、世界に一つの贈り物を。
そんな思いから生まれたこの歌が、
今では全国の卒業生の背中を押している。

この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。

2023年03月19日

執筆者仲澤南

旅立つあなたに 「コロナ禍の卒業生」


今年卒業する中高生は、
コロナ禍で入学から卒業までを過ごした
初めての世代だ。

卒業式では、
初めてみんなで校歌を歌った、
そんな声もあったという。

共に学んだ顔と声、
心に刻んで。

この春旅立つあなたに、
幸多からんことを。

2023年03月18日

執筆者波多野三代

Photo by kuromeri

〜春分の日〜 ぼた餅

ぼた餅とおはぎとの違いは
小豆の収穫時期から生まれた。

秋のお彼岸の”おはぎ”はつぶあんだが、
春の”ぼた餅”はこしあんで作られる。
小豆の収穫時期は9月から11月にかけて。
とれたての小豆は皮が柔らかいので、粒を残して味わえるが
保存され越冬した春の小豆は硬いため
皮をこした餡にした。

餡の材料である小豆は
古くから魔除けと不老長寿をもたらす特別なもの。
ぼた餅はご先祖さまを供養する食べ物でもある。

〜春分の日〜

2023年03月18日

執筆者波多野三代

Photo by Ian Kennedy

〜春分の日〜 北極と南極の太陽

春分の日、北極と南極では同時に太陽が現れる。

その日、太陽は赤道の真上を通過する。
そのため、北極と南極からは
ちょうど半分ずつ、太陽が水平線に見えることになる。
北極では東から。
南極では西から。
真逆のルートで水平線を一周し
やがてこの日を境に半年の昼と、半年の夜とが
それぞれにやってくる。

〜春分の日〜

2023年03月18日

執筆者波多野三代

Photo by DailyLolPics .com

〜春分の日〜 影が消える数分間

春分の日、赤道では
影が消える数分間がある。

それは年に2回。

春分と秋分の日、
太陽は赤道上をまっすぐに通過する。
正午、太陽が地面から垂直の位置にやってくると
影は足の真裏にまわり
地上から消えてしまうのだ。

光が勢いを増し始める日を
象徴するような現象だ。

〜春分の日〜

2023年03月18日

執筆者波多野三代

Photo by D Z on Unsplash

〜春分の日〜 卵が立つ日

「春分の日は卵が垂直に立つ」
欧米を中心に広まっている都市伝説だ。

1945年、ライフ誌で取り上げられ
実験したところ本当に立ったので大騒ぎになったのが始まり。

元は中国に伝わる伝統で、
立春の日に卵を立てると幸運を招くというもの。
立春がない欧米では「春分」と解釈された。

1年を通じて、卵は垂直に立つのではあるが
それまでコロンブス以外に誰も立てようと思わなかったため
こんな伝説を産んでしまった。

今年もSNSに卵の写真がやってくる。

〜春分の日〜

2023年03月18日

執筆者波多野三代

〜春分の日〜 蛇の神

春分の日、
世界遺産チチェンイッツアのピラミッドには
蛇の神が現れる。

メキシコのユカタン半島で栄えたマヤ文明の遺跡
チチェンイッツア。

春分の日と秋分の日の夕方、
太陽が真西にやってくる。
すると、ピラミッドの段の影が
蛇の頭の石像から長く連なって伸びる。
羽毛が生えた蛇の神、ククルカンの再現だ。

どうやってこんな精密な計算ができたのだろう。
昔の人は、今以上に
天体の動きを大切に考えていた。

〜春分の日〜

2023年03月18日

執筆者波多野三代

Photo by Bryant Olsen

〜春分の日〜 春のお彼岸

お彼岸は、春分の日を中心にした1週間。

春分には太陽が真西に沈むことから
あの世がある西方浄土とこの世が
太陽を接点に最も近くなると考えられてきた。

今日から春のお彼岸がはじまる。

沈む太陽を見つめるとき
ご先祖様も、赤々と照らされた私たちが
よく見えているのかもしれない。

〜春分の日〜