2023年03月04日

執筆者小林慎一

Photo by Oskars Sylwan on Unsplash

モチベーション3.0 #7

百科事典をつくるための2つのアプローチがある。

Aは、優秀なマネージャーが高い報酬をもらい
予算と納期を管理し、何千人ものプロに報酬を払い書いてもらうというもの。
この場合、人は外的動機付けで働く。

Bは、好きな人が、自分の好きなように書き、
報酬がまったく支払われないというもの。
こちらはモチベーション3.0の内的動機付けである。
人は報酬のためではなく、自分のために働く。
どちらが成功するだろうか?

AはマイクロソフトによるEncarta(エンカルタ)。
Bは、ウィキペディア。

この戦いでは、内的な動機付けである、
モチベーション3.0が外的な動機付けに勝利した。

Results Only Work Environment、
結果だけを求める職場環境がある。
これはアメリカのコンサルタントたちが考案した働き方で、
会社に行く必要がなく、スケジュールもない。
ただ結果だけを残せば良い。
この働き方を採用しているほとんどの会社では生産性が上がっていると言う。

ダニエルの提唱するモチベーション3.0は、3つの要素を軸にしている。

自分の人生は自分で決めたいという自主性。
自分自身よりも、より大きな何かのためにやりたいという目的。
それを実現するために自分を磨く成長。

アメとムチの考え方が、モチベーション3.0に取って変われば、
日々の仕事が楽しくなるだけでなく、
人類は答えの見えない問題を、もっともっと解いていくことができるだろう。

2023年02月26日

執筆者澁江俊一

Photo by Kieran Lamb

世界を温めるスープ 『スカウス』

凍えそうな日は、温かいスープを。

北欧の船乗りたちが食べていた
「スカウス」というスープがある。
イギリスの港町
リバプールで愛されている。

塩で味付けされた
牛や羊の肉を野菜、胡椒で煮込むだけの
栄養たっぷりのスープが
寒い冬の海の上では
いかにありがたかったことか。

リバプールの方言のことを
「スカウス」という。
その語源となった
庶民のためのスープである。

2023年02月26日

執筆者澁江俊一

Photo by Tatsuo Yamashita

世界を温めるスープ 『味噌汁』

凍えそうな日は、温かいスープを。

鎌倉時代。
大陸から伝わったすり鉢で
味噌を潰して
汁をつくるようになり、
味噌汁が誕生した。

そこから生まれたのが
鎌倉武士の食事の基本
「一汁一菜」。
質素だが体にいい習慣として
今、見直されている。

現代は味噌の種類も
具も出汁も多種多様になり
組み合わせは、ほぼ無限。

質素を楽しむには、
いい時代になった。

2023年02月26日

執筆者澁江俊一

Photo by George Wesley & Bonita Dannells

世界を温めるスープ 『ハリラ』

凍えそうな日は、温かいスープを。

モロッコの
国民的スープ「ハリラ」。

およそ1ヶ月の間、
日の出から日没まで、一切の飲食を断ち
空腹の辛さや自己犠牲を味わいながら、
飢えた人や平等への共感を育む
イスラム教の「ラマダン」。

日没後、食事が許される頃になると
まず最初に食べるスープが
「ハリラ」である。

トマトベースのスープで
豆や野菜を煮込んだ
滋味溢れるやさしい味わい。

断食明けのからっぽの体に
染みわたるおいしさは
人間にとって必要不可欠な
食べるという行為そのものへの
感謝の味がする。

2023年02月26日

執筆者澁江俊一

Photo by 我是魚夫

世界を温めるスープ 『ぶっ飛びスープ』

凍えそうな日は、温かいスープを。

干しアワビ、ナマコ、フカヒレ
豚肉、鶏肉 ハム 干し椎茸……。
山と海のおいしさが渾然一体となって
何日も煮込まれる
台湾の高級スープがある。

冬になると様々なお店で    
人気を集めるそのスープの名は
「ぶっ飛びスープ」
ぶっ飛びのぶつとは仏様のこと。

修行中のお坊さんも
お寺の塀を飛び越えて
規律を破って食べてしまうほど
おいしい禁断のスープなのだ。

2023年02月26日

執筆者奥村広乃

世界を温めるスープ 『ベジブロス』

凍えそうな日は、温かいスープを。

玉ねぎの皮
白菜の芯
にんじんのヘタ

普段は捨ててしまう野菜くず。

これを弱火でコトコト30分煮れば、
野菜のおいしさと栄養が詰まった
「ベジブロス」ができあがる。

ベジブロスは野菜だし。
栄養満点、旨味もたっぷり。

野菜くずも
立派なスープの出汁になるのだ。

2023年02月26日

執筆者礒部建多

from PxHere

世界を温めるスープ 『ヘルネケイット』

凍えそうな日は、温かいスープを。

栄養満点のエンドウ豆をすり潰し、
豚肉や玉ねぎなどと煮込んだ
フィンランドの伝統的なスープ。
ヘルネケイット。

別名、「木曜日のスープ」
とも呼ばれている。

古くはカトリックにおいて、
金曜日が「断食の日」と定められていた。

その前日に栄養価の高いものを食べようと、
フィンランドの人々は、
こぞって、ヘルネケイットを作っていたと言う。

忙しい毎日を乗り切るために、
木曜日に限らず試してみてはどうだろう。

2023年02月26日

執筆者礒部建多

Photo by Yosi I

世界を温めるスープ 『モロヘイヤスープ』

凍えそうな日は、温かいスープを。

刻んだモロヘイヤを、
ニンニクと玉ねぎと共に
バターで炒める。
水とコンソメを加えて煮込んだら、
仕上げにクミンやコリアンダーの
香味油を加える。

エジプトでは各地で飲まれる、
庶民的なモロヘイヤスープ。

古くは、クレオパトラがこよなく愛していたという
言い伝えもある。

また、当時の王たちの病気を、
モロヘイヤスープで治していたとか。

美容にも健康にも、万能なスープ。
そして何より、うまいのだ。

2023年02月26日

執筆者松岡康

Photo by hey tiffany!

世界を温めるスープ 『南極のブイヤベース』

凍えそうな日は、温かいスープを。

時に氷点下50℃にもなる
極寒の南極観測。
観測隊の身体を優しく温めたのは
ブイヤベース。

魚の骨まで捨てずに煮込むから
旨味が出汁にあふれる。

ゴミ問題が深刻な南極にとっても
優しいスープなのだ。

2023年02月25日

執筆者大友美有紀

Photo by hiramoto.ys

菅原道真 「梅花祭(ばいかさい)

2月25日は、
学問の神様、菅原道真の命日。
京都の北野天満宮では、梅花祭が行われる。
太宰府に左遷された道真を、
梅の花が追って行った「飛梅」の伝説にちなんでいる。

蒸したお米を大小の台に丸く盛り付け、
白梅・紅梅の枝を挿し、お供えをする。
そして道真の徳をしのぶ。        

道真を祀った天満宮は、
全国で約1万2000社あると言われている。
北野天満宮は、その総本社。
平安時代の学者は
日本各地で神様になった。