2023年02月18日

執筆者川野康之

Photo by John Carkeet

カウリスマキ映画のたのしみ 「愛しのタチアナ」

アキ・カウリスマキ監督の映画を見るたのしみ。
一緒に旅をすること。
『愛しのタチアナ』はロードムービー。
舞台は60年代のフィンランド。
退屈な田舎町を抜け出して
中年男が二人、目的もなくドライブに出た。
「ラップランドへ?」
「あそこは最悪だ。
何しろトナカイしかいないんだ」
南に向かう。
途中出会ったロシア人とエストニア人の女性二人を
港まで送ることになる。
女性の前では無口になる男たち。
会話することもなく、ただひたすら旅を続ける。
見ていてもどかしいが、
そのうち不思議なことに彼らの心が通じ始める。

港に到着。
不器用に別れを交わした後に、
残った男たちがつぶやく。
「外国へ行ったことがあるか」
男たちも船に乗り込み、エストニアのタリンまで送っていく。

エストニアに着いて、
旅は意外な展開をたどる。
「俺は彼女とここに残る。作家になる。」
マッティ・ペロンパーが放ったこの驚きのセリフ。
ここまで一緒に旅をしてきた私たちへの
カウリスマキ監督からのプレゼントのような気がするのだ。

2023年02月12日

執筆者川田琢磨

Photo by taku saito

直木三十五と直木賞 「168回目」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

直木賞と言えば、
芥川賞と共に日本を代表する文学賞であり、
168回目となる受賞作も、先月発表された。

小川哲さんの「地図と拳」、
千早茜さんの「しろがねの葉」、
2作品のダブル受賞。

2023年02月12日

執筆者櫻井瞭

直木三十五と直木賞 「水戸黄門」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

直木賞の受賞作は知っていても、
直木三十五自身の作品はご存じだろうか。

代表作の一つ、「黄門廻国記」。
時代劇ドラマ「水戸黄門」の原作である。

彼の作品を原作として作られた映画は、
50本近くあるという。

2023年02月12日

執筆者櫻井瞭

Photo by Avi

直木三十五と直木賞 「懐中時計」

132年前の今日は、
直木賞で有名な作家、直木三十五が生まれた日。

直木賞の賞品は、自分の名前が刻まれた懐中時計と100万円。
賞の創設者は、作家の生活が苦しいことを知っており、
いざというときに質入れ品としてお金に換えられるよう、
「世界に一つしかない懐中時計」を賞品にしたという。

そして実際、その通りにした人もいる。
第11回直木賞・河内仙介。

お酒が大好きだった河内は、
仕事そっちのけで遊び回り、
ついに賞金も使い切ってしまった。

やむにやまれず
「第十一回直木賞・河内仙介」と刻まれた、
正真正銘、本物の時計を質屋に持って行くと、
その店主はこう言った。

「惜しいもんだ、この文字がなけりゃ、もっと高く預かるんですが」

2023年02月12日

執筆者沢俊吾

Photo by urasimaru

直木三十五と直木賞 「選考会場」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

直木賞の最終選考は、
築地に構える老舗料亭、「新喜楽」で行うのが、
60年以上前からの慣例となっている。

そうなった理由は、
当時、賞を主催する日本文学振興会の事務局が
たまたま近くにあったから。

2023年02月12日

執筆者藤曲旦子

直木三十五と直木賞 「速筆」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

彼がものを書くスピードはすさまじく、
多い日には、1時間で16枚もの原稿を仕上げた。

速さを追求するためなのか、
彼の字は、とても小さかった。

書いたものを見直すこともしなかった。

そして、布団に寝転がりながら書いていた。

2023年02月12日

執筆者櫻井瞭

直木三十五と直木賞 「ペンネーム」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

このユニークな名前の由来は「年齢」。
三十一の時から、直木三十一、三十二、三十三、
と毎年名前を変えていた。

しかし当時、
親交のあった小説家・菊池寛から、
「いいかげんペンネームを変えるのはやめろ」
と言われ、三十五に落ち着いた。

菊池はのちに、直木賞を創設する。

2023年02月12日

執筆者沢俊吾

直木三十五と直木賞 「直木賞創設」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

1934年、直木三十五は43歳という若さで、この世を去った。
彼の友人でもあり、文藝春秋の創刊者でもあった菊池寛は、
翌年、亡き友への弔いと、新たな才能の発掘のため、
「直木賞」を創設したという。

記念すべき第一回の受賞発表後、
菊池寛はこのようなコメントを残している。

「直木賞の記事を、一行も書いて呉れない新聞社があったのには、憤慨した。」

2023年02月12日

執筆者川田琢磨

直木三十五と直木賞 「学生時代」

今日は、直木賞で有名な、
直木三十五が生まれた日。

彼の破天荒なエピソードは枚挙に暇がない。

早稲田大学に進学するも、一度も学費を払わず中退。
だが、その後も平然と講義に出続けた。

ついでに卒業写真も撮った。

2023年02月11日

執筆者佐藤理人

「建国記念の日」 神武天皇

今日は建国記念の日。

由来は日本最古の歴史書、「日本書紀」に遡る。

カムヤマトイワレヒコ、のちの神武天皇が、
大和王朝をひらき、
初代天皇として即位したのは、

「辛酉(かのととり)の年 春正月(はるむつき)
庚辰(かのえたつ)の朔(ついたち)」

これを現代のグレゴリオ暦に直すと、
紀元前660年2月11日になる。

その存在は未だ議論の分かれるところだが、
ギネス世界記録で、皇室は、

「世界最古の王室」

と認定されている。