2023年02月04日

執筆者廣瀬大

コーヒーの話 #7

コーヒーが経済社会を進化させた。
そう言っても過言ではないかもしれない。

17世紀のヨーロッパ、
朝食の席で飲まれていたのは、
アルコール度の弱いワインやビールだった。

水を飲めばいいのではないか、
そう思うかもしれないが、
当時のヨーロッパでは都市部中心に
水が汚染されている可能性があり、
ワインやビールの方が安全な飲み物だった。

そんな生活の中に訪れたコーヒー。
水を沸かしてつくるコーヒーは
安心して飲める新しい飲み物として広がっていく。
しかも、この飲み物はワインやビールと違い、
飲むことで頭が冴え渡り、
すっきりした気持ちで仕事を始められる。

やがてコーヒーを飲みながら、
さまざまな情報が集まり、議論ができる
コーヒーハウスがイギリスに登場する。

それまでイギリスでは人々が集まる場所は、
居酒屋など、酒を提供する店しかなく、
素面で議論できる場がなかった。
酔うことなく、覚醒した頭で意見を交換できる。
そんなコーヒーハウスは人気となり、
やがて、そこは株式市場や保険市場の役割も果たし始める。

コーヒーを飲みながら語り合える場が、
人々の活動を、経済活動を、大きく躍進させたのだ。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

Photo by wEnDy

冬の肉の日 「ミロトン」

ミロトンは、フランスの定番の家庭料理。
ポトフなど、大きな塊肉を料理した翌日は、
鍋に残った肉を薄切りにして、トマトやピクルスと煮る。
野菜の酸味が効いた新しい料理に生まれ変わる。
つつましさも、おいしさも忘れないのがフランス流。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

Photo by Salvatore G2

冬の肉の日 「コシ―ド」

スペインの首都マドリードの冬の味、
コシ―ド・マドリレーニョ。

ひよこ豆、骨付きの鶏肉、塊の豚肉、チョリソ、
そして野菜を一つの鍋で煮込む。
一皿目のスープも、二皿目の豆と野菜も
旨味が効いて美味。だが、食べ過ぎてはいけない。
メインは三皿目の山盛りの肉だから。
ボリュームたっぷりの料理は、食べ終わるころには汗をかくほど。
マドリードのおふくろの味は豪快だ。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

Photo by [cipher]

冬の肉の日 「肉食のすすめ」

学問のすゝめを書いた福沢諭吉。
なんと、「肉」を食べることもすすめていた。

ときは明治。
近代化のために西洋文化がどんどん取り入れられた時代。
福沢諭吉は、
「滋養がある肉を食べない日本人は、元気がなくて損をしている」
と肉を食べることをすすめた。
アッという間に
東京だけで数百件の牛鍋屋、つまりすき焼の店が誕生、
たいへん繁盛したという。

おかげで、今、すき焼き鍋をみんなで囲む幸せがあるのかも。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

冬の肉の日 「フェイジョアーダ」

意外に寒い、冬のブラジルの定番料理は、
フェイジョアーダ。
黒豆と牛肉、豚肉、さらに豚の足や耳やしっぼを
塩味で煮込んだ真っ黒なシチューは、
味はやさしく、スタミナもつく。

フェイジョアーダは
ヨーロッパ、アフリカ、アジアから来た移民たちが
貧しい中、日々生き抜くために工夫を重ねた料理と言われる。
力が湧かないはずはない。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

Photo by Young Sok Yun 윤영석

冬の肉の日 「ソルロンタン」

韓国、ソウル、1月の平均気温はマイナス2度。
この季節、人気の料理が「ソルロンタン」だ。
牛の骨や足を10時間以上煮込んだ真っ白なスープ。
コクがあり、滋味あふれるスープを飲めば
どんな疲れも消えていく。

「元気出して!」のかわりに、「ソルロンタン食べない?」というらしい。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

Photo by Mizu_Basyo

冬の肉の日 「チャンスン・マハ」

骨付きの羊の肉を、岩塩で煮る。
コツは煮れば煮るほど柔らかくなる。
ただ、それだけ。

肉からも、骨や筋からも旨味が滲み出た
チャンスン・マハというこの料理が、
冬は極寒になるモンゴルの人々を寒さから守ってきた。
羊の肉は、新陳代謝を促し、冷えを防ぐLカルニチンが豊富、
なんてことを科学が証明するずっと前から。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

Photo by Hideya HAMANO

冬の肉の日 「牛丼」

牛肉を食べると、幸せを感じるのは味のせいだけではないらしい。
牛肉に含まれる成分が、
体内でセロトニンという物質を作り、不安や心配を消してくれるのだ。

そしてこの成分、糖分つまりごはんと一緒に食べると
吸収がよくなるらしい。

あつあつのごはんに、甘辛く煮た牛肉。
牛丼からのぼる湯気に幸せを感じるのもうなずける。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月29日

執筆者長谷川智子

冬の肉の日 「オーロックス」

牛の祖先、オーロックスは、
カラダの高さが約2メートルという巨大な野生生物だった。
80000年前に、捕まえて飼いならした勇気ある誰かのおかげで
私たちは、今、様々な美味しさを楽しんでいる。

今日は肉の日。カラダも心もあたたまる一品を。

2023年01月28日

執筆者田中真輝

Photo by Wilhelm Gunkel on Unsplash

創造的な逸脱  『教えからの逸脱』

逸脱すれば、世界が拓ける。

日本の芸事文化に

「守破離(しゅはり)」という言葉がある。

芸道を究めるためには、まず

師匠の教えを徹底的に守らなければならない。

その教えを自分のものとして初めて、

それを破り、そこから離れて自由になれる、

という考え方である。

型を破り、逸脱するためには、

型にはまってみることも、大切なのだ。