2022年12月17日
中山佐知子
南十字星の天文台
石垣島に冬が来ると
南十字星とカノープスが見えはじめる。
どちらも北半球ではなかなか見られない星であり、
昔、カヌーで海を渡った南の島の船乗りたちの
目印にもなった。
南十字星もカノープス も
石垣島天文台からよく見える。
この島は大気が安定していて星がまたたかないので
観測にはもってこいの場所なのだろう。
そういえば、天文学者が選ぶ「日本一きれいな星空」に
石垣島天文台が選ばれている。
2022年12月17日
石垣島に冬が来ると
南十字星とカノープスが見えはじめる。
どちらも北半球ではなかなか見られない星であり、
昔、カヌーで海を渡った南の島の船乗りたちの
目印にもなった。
南十字星もカノープス も
石垣島天文台からよく見える。
この島は大気が安定していて星がまたたかないので
観測にはもってこいの場所なのだろう。
そういえば、天文学者が選ぶ「日本一きれいな星空」に
石垣島天文台が選ばれている。
2022年12月17日
「県立ぐんま天文台」の名前は知らなくても
特撮ものの映画やテレビ番組の背景として
見た人は多いかもしれない。
そういえば、ヴェネツィア国際映画祭で
監督・ばんざい!賞を受賞した日本映画にもこの天文台が使われた。
ぐんま天文台は人気者である。
150センチの大望遠鏡から
障害者用のユニバーサル望遠鏡まで設備は充実しているが、
さらに、この天文台の庭にはストーンサークルや
インドのジャンタル・マンタルなど
古い時代の観測施設が再現されており
当時の観測を行うことができる。
望遠鏡だけが天文台ではないのだ。
2022年12月17日
長野県阿智村浪合
標高1200メートルのこの村が
日本でいちばん「星の観察に適していた場所」に
選ばれたのは平成18年のことだった。
この村に天文台はない。
でも、星を見に来たい人たちはいる。
そこで星の観察ができる浪合パークがつくられた。
レンタルの天体望遠鏡がある。
流れ星なら双眼鏡がおすすめだ。
カメラや三脚もレンタルできるし、
カップ麺やお菓子は売店で。
芝生にレジャーシートを広げれば
そこが自分だけの天文台になる。
浪合パークはそんな星の名所だ。
2022年12月17日
「水沢天文台」という言葉は、
宮沢賢治の作品に登場する。
「水沢の臨時緯度観測所」となっている作品もある。
発足が1899年、
国際緯度観測所として水沢に設置され、
当時は天体観測とともに気象観測も行い、
旗を立てて天気予報を地元の人々に知らせていた。
この天文台は公開ではないので
見学はできるが望遠鏡はのぞけない。
賢治が屋根で昼寝をしたらしい観測所の建物は
保存されている。
2022年12月17日
GPSはおろか、羅針盤も六分儀もなかった時代、
太平洋の島に住む人々は
太陽と月と星をたよりに
カヌーに乗って数千キロの海を渡った。
この伝統的航海術をスターナビゲーションと呼ぶ。
それに必要な知識は、文字ではなく
「星の歌」と呼ばれる歌で伝えられている。
陸が見えない海の上で大切なのは
自分の位置と目的地の方角である。
18世紀のイギリスの探検家は
星の位置と風向きをたよりに船を進める
タヒチの人々の航海術に驚嘆し
「文明社会の専門家のような正確さ」と記録した。
18世紀にキャプテン・クックがタヒチで目撃したダブルカヌーは
全長30メートルのカヌーを2つ並べて繋いだもので、
車に例えるとトラックのようなものだった。
30人の人のほかに数十日の航海に必要な水と食料、
家畜まで積み込むことができた。
彼らはこのカヌーに荷物を積んで
数千キロ離れた島々へ移住していったと言われる。
たとえばタヒチから4000キロ離れたイースター島。
一方、シングルカヌーは乗用車のようなもので
島の人々は漁をしたり
近くの島へ物々交換に行くのに使った。
数百キロ離れた島へ親戚に会いに行くのもこのカヌーだった。
スターナビゲーションで太平洋を航海する星の航海士たちは
人々から尊敬を受けていた。
しかし、20世紀になるとカヌーも航海術も消えてしまった。
それが復活したのは1970年代になってからだった。
ポリネシア人のルーツを証明するために
太平洋を渡るカヌーが復元され、
同時に伝統航海術も復活させることができた。
いまスターナビゲーションを学ぶ人たちは
プラネタリウムで星の動きを覚えるのだと聞く。
星を忘れそうになったら、天文台へ行こう。
2022年12月11日
世界一寒い村、オイミャコンでは
洗濯物は凍らせて乾かす。
北極圏に近いその村では
一年の半分以上が冬。
太陽は24時間中3時間しか顔を出さず、
洗濯物は-40度の屋外に干すことになる。
そんな環境で、どれくらい干せば乾くのだろう?
答は意外にも数分。
濡れた衣類から吹き出した水分が
あっという間に氷になり、
それを払い落とせば、乾いてしまうというのだ。
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
アンデス地方には古代から作られてきた
フリーズドライの保存食がある。
冬、じゃがいもを地面に並べておくと
夜には芯まで凍る。
夜が明けると今度は太陽で解凍される。
その繰り返しでじゃがいもは柔らかくなり、
水が滲み出てくるようになる。
ギュッギュと踏み、水分を絞り出して
天然のフリーズドライが施されたじゃがいもは
チューニョと呼ばれ、愛されてきた。
地元のことわざにはこんな言葉がある。
「チューニョのないスープなんて、愛のない人生のようなもの。」
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
地球に最も太陽が近づく季節
それは冬だ。
12月の冬至は、一年で最も日が出ている時間が短くなる。
生命の象徴である太陽の力が弱まる日のため、
古くから恐れられてきた。
だが、夏至の南中高度が77.4度なのに対し、
冬至は低く、30.6度。
地面との距離が近くなるのは冬なのだ。
この日を境に日照時間が伸びていくので
幸運へと向かう禊の意味合いで
柚子湯に浸かり、
冬を乗り越えられるよう栄養豊富なカボチャを食べた。
そうして人々は太陽の力が
自分に取り入れられることを願ってきた。
冬は、太陽が人に最も近くなる季節、
とも言えるのかもしれない。
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
世界中でクリスマスが祝われる12月。
その時、オーストラリアは丁度真夏。
ご馳走は家族でビーチに集まりバーベキュー。
ツリーも暖かな赤や金ではなく、
青や白などの涼しげな色で飾られる。
そのため、クリスマスらしいクリスマスをしようと
南半球が冬を迎える7月に、
2度目のクリスマスをする町もあるそうだ。
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
江戸時代の雪だるまは、
文字通りだるまさんだった。
江戸時代はミニ氷河期だったと言われ
雪が多かった。
そこで数多くの雪だるまが作られたが、
その姿は達磨大師をかたどった本格派。
お供えもされる縁起物だったと言われている。
冷え込む町のあちこちに座るだるまさんは
今より夜が暗く、厳しい江戸の冬には
心強い光景だったろう。
〜冬のはなし〜