2022年12月11日
波多野三代
冬のはなし 〜雪で固めるカナダの飴〜
カナダの人々が愛する飴
それは、雪の上で作られる。
メープルシロップが採れる数週間の間。
長い冬が終わりに近づくこの時期を祝って、
人々は大々的なお祭りをする。
そこで食べられるのが「メープルタフィー」という飴。
新鮮な雪の上に煮詰めたメープルシロップを垂らす。
熱を奪われ、シロップが固まり始めると
棒にくるくる巻き付け、出来上がり。
大人も子どももその飴をしゃぶって、
冬の厳しさを甘く乗り切っていく。
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
カナダの人々が愛する飴
それは、雪の上で作られる。
メープルシロップが採れる数週間の間。
長い冬が終わりに近づくこの時期を祝って、
人々は大々的なお祭りをする。
そこで食べられるのが「メープルタフィー」という飴。
新鮮な雪の上に煮詰めたメープルシロップを垂らす。
熱を奪われ、シロップが固まり始めると
棒にくるくる巻き付け、出来上がり。
大人も子どももその飴をしゃぶって、
冬の厳しさを甘く乗り切っていく。
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
ネクタイは古代ローマ時代に
冬の防寒着として生まれた。
それはマフラーのような効果と、
お守りとしての役割。
ローマの兵士たちが寒い戦地に旅立つ時、
妻や恋人が無事を願って羊の毛で布を織り
彼らの首に巻いて送り出したのだ。
無事に暖かい祖国に戻って
ネクタイをはずせますように….
ネクタイをゆるめてホッとするのは
今も昔も変わらない。
〜冬のはなし〜
2022年12月11日
12月に現れる満月の名は、コールドムーン。
ネイティブアメリカンが
農作業の指標にするために、毎月の満月につけた名前だ。
このコールドムーンは、
寒さが厳しくなる時期を表している。
日本ではこの月のことを
同じく「寒月」と呼ぶ。
遠く離れた2つの地を、
冬の月がつないでいる。
〜冬のはなし〜
2022年12月10日
その日の最高の瞬間。
すべての用事を済ませ、
おいしいお酒を楽しむとき。
豊かな香りと味わいに
心と体がリラックスしていく。
紀元前4000年頃のメソポタミア文明。
まだ文字を持たぬシュメール人の絵文字にも
お酒を飲む人が見られる。
そこに描かれた人は
器に入ったビールを
ストローを使い二人で飲んでいる。
古代より人は
みんなで美酒を楽しんできたようだ。
2022年12月10日
お酒を楽しむのは
人間だけではない。
アフリカの野生動物園では、
発酵した果物に動物が集まり、
酔っている姿が報告されている。
ワイン用のぶどう畑では、
発酵したぶどうで
ムクドリが酔う姿が見られている。
お酒に酔う。
その時間は自然から生き物への
大事な贈りもの。
2022年12月10日
深く豊かな香りを放つウイスキー。
長い熟成のときを経て、樽を開けるとき
熟成の年数に応じてウイスキーが減っている。
1年間で全体量の2%から4%ほど。
木の樽だから当然蒸発するのだが、
昔の職人たちは
「天使がこっそり味見をしている」と考え
「Angel’s share天使の分け前」と呼んだ。
2022年12月10日
沖縄の泡盛。
3年以上、貯蔵したものを古酒という。
沖縄では「仕次ぎ」と呼ばれる古酒の育て方がある。
製造年の異なる泡盛をそれぞれ甕に貯蔵し、
飲むときは一番古いものを飲む。
そして減った分を2番目以降の甕から順々に注ぎ足していく。
飲む人が酒の熟成に関わる沖縄独自の文化。
これにより100年、飲み継がれる古酒ができるという。
2022年12月10日
アメリカの開拓時代を描いた西部劇。
そこに必ず登場する荒くれ者が集う酒場。
当時、アメリカの酒場では、
客が樽から勝手に酒を飲むトラブルが
頻繁に起きたという。
そこで、酒樽と客との間に棒、
つまり「バー」を置き、
酒樽に客が近づけないようにした。
棒はいつしか、カウンターテーブルへと変わり、
店主と客が向き合うスタイルの酒場になった。
バーの誕生である。
世話をする人「Tender」が「Bar」と結びつき、
やがてバーテンダーという言葉も生まれた。
2022年12月10日
670年ごろ、修道院でワインの管理係を
つとめていた修道士ドン・ペリニョン。
彼が貯蔵庫に入れ忘れたワイン。
外に置かれたまま寒い冬を越した。
春になって発見されたワインは
微生物の活性化で泡が立っていた。
これがなんとおいしいしいことか。
世界に知られる発泡性のワイン、
シャンパンは置き忘れから誕生した。
2022年12月10日
「水を飲むときは水を飲みます、
ウイスキーを飲むときはウイスキーを飲みます」
レイモンド・カーヴァーの短編「大聖堂(カセドラル)」で
家を訪れた目の見えない客人がスコッチの飲み方に対して
こう述べるシーンがある。
グラスにスコッチを注いで、
ほんの一滴、水をたらして飲む流儀なのだと言う。
ウイスキーの飲み方にはストレート、水割り、オン・ザ・ロック、
炭酸水で割ったハイボールといろいろある。
レイモンド・カーヴァーの小説の登場人物のように
ストレートを正当な飲み方とする人は多いが、
どれが正しい飲み方なのか。
日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝は過去のコラムでこう語る。
「人それぞれ一番うまいと思う方法で楽しむべきものだと思っている」
確かに飲む頻度やその人の体質によって、
おいしいと感じる飲み方というものはそれぞれのはず。
大正時代に英国に留学し、ウイスキーづくりを学んだ竹鶴。
「熟成をじっくり辛抱して待つ精神や気質がないと決して良いものはできない」
という酒づくりの哲学を持つ彼はこうも言っている。
「飲みかたについて、もうひとついうと、楽しみながら
“時間をかけて飲む”ということだ。つまりチビチビ長く飲むこと」
これこそがウイスキーの唯一の正しい飲み方なのかもしれない。
「楽しみはできるだけ長くーそれが人生を幸せにする方法であるといえよう」
そう彼は語る。