ここんとこの庄司輝秋(画伯)



ここんとこ動画2分の1担当の庄司輝秋(画伯)の動画の上がりが早い。
これは実に助かる。つまり週末に留守ができる。
今週日曜日に掲載する動画は今日(木曜日)送られてきた。

では、「ここんとこ」じゃないときはどうだったかというと
掲載日の午後になって送られてきていた。
これでは日曜はずっとパソコンにへばりついていないといけない。
芝居も行けない、結婚式の二次会も行けない。
とにかくあらゆることができなかった。

がっ、もう大丈夫(だろう)
これからは日曜に予定を入れることもできる(だろう)
なんだか自由になった気がする。

ところで庄司輝秋(画伯)の画伯になぜカッコがついているかというと
このところ画伯ぶりを発揮していないのだ。
なんだかそれが寂しい。
寂しく感じるところをみると、どうやら私は
庄司輝秋(画伯)の絵のファンだといえなくもないのではないかと
そんなことを考えていたりするのだった(なかやま)

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蛭田瑞穂 2011年7月24日



空色の帽子
          ストーリー 蛭田瑞穂
             出演 石飛幸治

少年の帽子が飛ばされたのは停留所を発車したバスが
俄にスピードを上げた折である。
車内を通り抜けた風が少年の帽子を拐って、
瞬く間に窓の外へ飛ばした。

帽子は空色のセーラー帽で、
側面に真鍮のヨットのバッジがついていた。
少年よりはむしろ母親の方が気に入って、
折に触れてその帽子を少年にかぶせていた。

バスを降りて叔父の家に着いた後、
母親は帽子の捜索を叔父に頼んだ。
叔父は車を用意し、少年を連れて捜しに出た。

帽子はおそらく車道に落ちたはずだった。
少年と叔父は辺りを慎重に捜したが、帽子はなかった。
車は車道を二度往復した。
しかし、帽子を見つけることは終にできなかった。

きっと誰かに拾われたのだろう、
叔父は諦めて車を家へと向かわせた。
その時、少年は何かの予感にふと後ろを見返した。
すると、遥か後方の路上に小さな点がぽつんと見えた。

それは帽子のようでもあった。

叔父に告げてすぐに引返してもらおう。
少年はそう思った。
しかし、次の瞬間、何かがそれを押し留めた。

少年の僅かのためらいの間に、
路上の点は消えたように見えなくなった。

なぜあの時叔父に言うことが出来なかったのか。
少年はその夜ひとり思悩んだ。
ひとつにはそれは、これ以上叔父を煩わせることへの遠慮であった。
またひとつは、引返してみたはいいが、
それが見間違いと判明した時の恥を畏れる気持であった。
しかし、それだけではなかった。
そうではない別の感情もそこにはあった。

それが何であるかを理解したのは、
少年が思春期を迎えた後である。

帽子がなくなれば母親はきっと悲しむ。
少年はその姿が見たかったのだ。
愛するがゆえに不幸せを願うという矛盾した愛情が、
人のこころに潜むことを少年はその時初めて知ったのである。

出演者情報:石飛幸治 スタジオライフ所属 http://www.studio-life.com/


動画制作:庄司輝秋

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一倉宏 2011年7月10日



ぼくのちいさなロケット ~MY LITTLE ROCKET~

           ストーリー 一倉宏
              出演 坂東工

おとこの子はだれだって 
ロケットをもっている 生まれたときから

このからだはぜんぶ 親からもらったもの
だけど このちいさなロケットだけは なぜか
じぶん自身のもの そんな気がしてた
だから そのロケットのひみつを 親にはいわない

♪ どこにゆく ぼくのせつないロケット
  あの宇宙夢みて 飛び立て ぼくのロケット
  いつの日か ぼくのひみつのロケット
  未来の役に立つ 立つんだ ぼくのロケット 

おとこの子のたいせつなもの
それは ちいさな誇りと ちいさなロケット
そのくせ うつむいて歩く いつも下を向いてたくせに
ときどき 空を見上げるようになる ふしぎなロケット

♪ どうしたの ぼくのちいさなロケット
  もやもやの夢みて ふくらむ ぼくのロケット
  いつの日か ぼくのかがやくロケット
  愛の星めざして 発射だ ぼくのロケット 

ロケットの行き先というなら
それはもちろん 宇宙 あるいは どこかの星
だけど なんとおぞましいことだ おとなになることは
そのロケットは じつは 宇宙行きじゃなかったんだ

さらにいうならば ロケットの行き先は
ある意味で 宇宙とは対極にあるどこか だという
やがて知るだろう おとこの子は 残酷なことに
なんてことだ おとなになるということは

しかし それが暗い洞穴のような未来 だとしても
ある意味で 宇宙と対極にある もうひとつの宇宙
かもしれない・・・
なんて 感じたりもするだろう
そうでなければ そうでなければ
ロケットが こんなにも熱く かぎりなく高く
こんなにも空をめざして 飛び立とうとするものか

♪ どこにゆく ぼくのせつないロケット
  あの宇宙夢みて 飛び立て ぼくのロケット
  いつの日か ぼくのひみつのロケット
  未来の役に立つ 立つんだ ぼくのロケット 

♪ どうしたの ぼくのちいさなロケット
  もやもやの夢みて ふくらむ ぼくのロケット
  いつの日か ぼくのかがやくロケット
  愛の星めざして 発射だ ぼくのロケット 

MY LITTLE ROCKET MY LITTLE ROCKET
ぼくのちいさなロケットに 愛をいっぱいつめこんで

出演者情報:坂東工 http://www.takumibando.com/


動画制作:庄司輝秋

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庄司に電話をしてみたら石巻で炊き出し中だった

確か庄司輝秋は明日からまた石巻だったよなと思って
電話をかけてみた。

庄司、いまどこ。
「石巻です」
えっ、明日からではなかったっけ。
「ルーフトップで炊き出しやってます」

ルーフトップというのは庄司の勤める制作会社で
社長の小田桐団ちゃんは料理がうまい、というか
食べることと食べさせることに異常な執念を持っている。
会社には巨大な冷蔵庫と炊飯器があり
ルーフトップで働くと日々食には不自由しない。
そのかわり庄司を観察しつづけるとわかるように
日々体格も立派に育っていく。

そんな会社であるからして、炊き出しというのはとても理解できる。
メニューは野菜たっぷりのトルティーヤだそうで
オニギリばかり食べている避難所の人々にとても喜ばれているそうだ。
だいたい避難所では野菜が足りないのだ。

炊き出しは今日と明日で、
その後庄司はルーフトップのメンバーと別れて両親のもとへ行くらしい。
石巻の庄司の実家があった場所は津波に流されてもうない(なかやま)

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庄司輝秋の震災レポート4(猫が)

庄司輝秋の石巻の実家の猫二匹は
震災から行方不明になっていましたが
3週間もたって一匹が帰って来たそうです。

帰ってきたといっても、そこにはもう家はなく
家の跡というべきところでしたが
庄司からの知らせによると

 実家の猫ですが、信じがたい事に
 3週間して自宅跡に戻ってきました。
 泥にまみれてきょとんと座っていたのです。

 一匹だけでも無事だったこと、家族で喜んでいます。
 どうやって生き延びたのかとみんなで話していますが、
 おそらくずっと謎のままでしょう。

ということでした。
なかやまがお知らせしました。

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庄司輝秋の震災レポート 3 被災地の笑い

人間はなんだか複雑で
被災地でも、みんなずっと暗い顔しているわけじゃなくて
当たり前にけっこう笑いもあります。

うちの地域で1番人気の避難所は
ラブホテルでした。

個室だし、冷凍食品もあるし、
ベットはふかふか。
ただし、家族で過ごすにはいささか気まずいのが玉に傷。

こんなことを教えあっては
面白がっています。

どんなときにも笑える事態が起こるってやつですかね。

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