走る人 小出義男監督
走ることが、好きで好きでたまらなかった。
高校卒業後、農業の道を歩んだものの、
マラソンへの思いは断ちきれず。
苦学の末、走りつづけるために大学に入った。
小出義男。
その名は、陸上選手としてよりも
高橋尚子や有森裕子をメダリストに育て上げた
名監督として知られる。
選手をのばす言葉を知り尽くした小出監督には、
こんな名言がある。
牛乳を飲む人より牛乳を配る人のほうがよっぽど丈夫だ。
薬やサプリメントに頼るより、
移りかわる空の下を走ることで
健康を手にいれる人をふやしたい。
小出監督が夢みた「銀座マラソン」は
のちに都知事によって「東京マラソン」として実現した。
走る人 間寛平
マラソンとヨットで
地球を一周する、アースマラソン。
この、人類初のとてつもない試みに、
ひとりのコメディアンがチャレンジしている。
寛平ちゃんこと、間寛平、60歳。
心臓疾患を克服するために走りはじめ、
陸上選手並みの強靭な心臓を手にいれた。
世界中のマラソン大会に出場すること70回以上。
いまや3万6千kmの地球一周をめざす男だ。
しかしスタートから約1年、トルコで癌が判明する。
治療しながらマラソンは継続できる、と医師に告げられ、
「めっちゃ嬉しい」と語った寛平ちゃん。
その後、このアースマラソンを必ず完走するために
2か月間治療に専念することを決意。
現在アメリカで療養にはげんでいる。
そんな寛平ちゃんの言葉は、
いつも前を向いている。
走らんでも、毎日、歩けばいい。
きのうより、気持ちが1㎜でも前進していれば
いつかゴールにたどり着く。
天性のボケでお茶の間を笑わせた一芸人は
いま、自分と地球と向き合うことで
日本に勇気を送りつづけている。