渋谷三紀 11年12月17日放送
幸せを運ぶ男/サンタクロース
ニューヨークの新聞社に一通の手紙が届く。
差出人は8歳の少女バージニア。
サンタクロースっているんでしょうか。
手紙に書かれた子供らしいまっすぐな問いかけに、
ある記者が新聞を通じて返事を返した。
サンタクロースを見た人がいないことは、
サンタクロースがいないことの証拠にはなりません。
愛や、思いやり、そしてサンタクロース。
目に見えないものを信じることができたら、
人生は楽しく美しいものになる。
ひとりの子どもに向けて書かれたその手紙は、
サンタクロースを信じられなくなった
すべての大人たちへの手紙でもあったのです。
幸せを運ぶ男/佐々木則夫監督
ドイツワールド杯を制し日本中を沸かせた、
なでしこジャパン。
チームを率いた佐々木則夫監督は、
大変な愛妻家として知られている。
いまから20年ほど前、
病気で倒れた妻の看病に専念するため
サッカーを辞めようとした監督をひきとめたのは、
妻だった。
私のための人生じゃなくて、
あなたの人生なんだから、
大好きなサッカーを辞めないで。
夫としても、監督としても、
ぐいぐい引っ張っていくタイプではないだろう。
自分を捨ててでも、献身的に相手を支えるその姿が
女性たちの心を掴んできたことは、想像にかたくない。
ワールド杯の優勝はもちろん、
そばにいる女性たちとその人生を輝かせたことも、
佐々木監督の偉業なのだと思う。
幸せを運ぶ男 中原淳一
可憐な少女のイラストで知られる画家、中原淳一。
女性を見つめ描きつづけた中原先生は、
若い娘たちにこんなアドバイスをおくっている。
誰が見ていなくても
美しい寝まきを着て寝てください。
それは昼間のあなたを明るく美しくしますから。
ほんとうの美しさは、しぐさや表情といった
普段の何気ない所作にこそ現れる。
美しいひとになりたいなら、
生き方が美しい人にならなければね。
中原先生からのやさしくもきびしいお言葉です。