石橋涼子 12年5月20日放送
植物のはなし 牧野富太郎の情熱
最終学歴、小学校中退。
独学で研究を続け、
植物学の父と呼ばれるまでになった牧野富太郎。
東京帝国大学の講師になっても、
理学博士号を授かっても、
野山をかけずり回って標本採集をするのが趣味だった。
どんなに貧しくても、珍しい植物を求めては旅に出た。
借金取りが押しかけて来ても、平然と植物の標本をつくっていた。
95歳で亡くなるまで少年でありつづけた植物博士の残した言葉。
草をしとねに 木の根をまくら 花に恋して90年
植物のはなし 牧野富太郎の感謝
植物博士、牧野富太郎の名付けは明快だ。
どこにでも生える図太い植物だから、ワルナスビ。
むじなの尻尾に似ているから、ムジナモ。
わかりやすさこそが、学問に必要なこと。
ただ一度だけ、例外がある。
貧しい生活を支え続けてくれた妻が亡くなったとき、
発見した笹にこの名を付けずにはいられなかった。
命名、スエコザサ。