五輪ポスターと電話
堂々と佇む日の丸。
それを支える様に、
金の輝きを放つ五輪マーク。
亀倉雄策がデザインした
1964年東京五輪のポスターだ。
日本のデザインの発展に寄与した功績を認められ、
五輪ポスターのコンペに招かれた亀倉だが
〆切当日、委員会から催促の電話を受けるまで
提出期限を忘れていた。
その電話から、わずか2時間で彼は
あのダイナミックなデザインを仕上げたのだ。
シンプルで力強い、そのポスターは
20点以上の案から満場一致で選ばれた。
もしあの時、
電話に出られなかったら、
この歴史的デザインは、
幻になっていた。