大友美有紀 14年4月6日放送
「長新太」安い絵本
絵本作家、長新太。
生涯で手がけた子どもの本は400冊を越える。
信じられないほどの多作。
73年のエッセイで、安い絵本をつくりたいと言っている。
絵が良くて、高価な絵本もいいと思うけれど、
わたしは少し印刷が悪くても、
というより、たくさんのインクを使用しなくて、
二色ぐらいでも、それから少しぐらい紙がわるくとも、
安い絵本がもっとつくれないかな、と思っているのです。
本屋さんの前のクルクル廻るケースに入っている、
いわゆる「百円絵本」によいものが出てきてほしいのです。
そうして百円絵本が子どもたちに広く読まれることをねがう。
絵本は百円ぐらいで買えなくてはいけない、と思うのです。
多作の影には、こんなねがいが隠れていたのかもしれない。