大友美有紀 14年4月6日放送
izamu
「長新太」アニミズム
ナンセンスの絵本作家、長新太。
ある講演会で、生まれ変わったら何になりたいか、という質問に、
イカやタコが好きだから、イカやタコになりたいね、と答えた。
それは冗談でなく、本気に近い気持ち。
幼い子が「大きくなったら新幹線になりたい」という気持ちと同じようなもの。
長新太の発想は、自然界のすべてのものに霊魂や精霊が宿るという
「アニミズム」のようなものだ。
大げさにいうと、机も椅子もコップにしてもフォークにしても
すべて命があるという感覚があって、
別に人間だけがいきてるんじゃない、という感じが
ぼくは非常に強いです。
人間の内蔵だって自分でコントロールできない。
みんなそれぞれ生きていて、自我意識があると思っている。
彼の本には、お尻だけ「ポコリ」とはずれて外出してしまったり、
心臓がとんでってテレビ局に行ってしまったり、
下半身だけが先に歩き出してしまうお話もある。
長新太を本当に理解できるのは、子どもだけかもしれない。