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片思い①「言い寄る」田辺聖子
片思い小説の名作と謳われる、田辺聖子の三部作。
一作目は、『言い寄る』。
主人公の乃里子は、奔放なプレイガール。
だが、長年片思いをしている五郎にだけは、指1本触れ合うことができない。
ほんとに言い寄れるのは、あんまり愛していない人間の場合である。
言い寄って拒絶されたら、さしちがえて死のうというような、
しんから惚れている人間の場合は、これは失敗を許されない…(後略)
そんな強烈な思いを持つ乃里子。
だが、ついぞ、その恋は叶うことがなかった。
好きな男と似合う男、というのは違うのかもしれない。