Alex Dram
猫と人①佐野洋子
「100万回生きたねこ」は、
出版から約40年経った今も、たくさんの親子に愛され続けている絵本だ。
実は、作者の佐野洋子は、猫がキライだった。
「何でも分かったような顔をしてこっちを見る」とぼやくように、
佐野の描くねこは、どこか人間臭く、小憎らしい。
しかし、キライといいながら、知人から貰い受けたり、引き取ったり…
佐野の人生は、たくさんの猫にかこまれていた。
「動物は立派に死ぬ。あたしもそうしたい」
死んだ飼い猫を引合いに出しながら、そう語った。
立派な死に方、幸せな死に方を教えられる絵本は、そう多くない。
「死」がわかる大人になって読むと、また一味違うものだ。