大友美有紀 15年3月7日放送
T DOUGLAS
「プラントハンター西畠清順」ドラゴンブラッドツリー
ソマリアとイエメンの間に浮かぶ小さな島、ソコトラ島。
ドラゴンブラッドツリーや砂漠のバラなど約300種の固有種があり、
環境保全の必要性から2008年世界遺産に登録された。
プラントハンター西畠清順は、
初めてソコトラを訪れたとき、あまりに美しすぎて
地球上に実在する場所とは思えなかった。
なかでもそびえ立つドラゴンブラッドツリーのインパクトが強烈だった。
ソコトラ島には植物の保護活動をしている親子がいた。
絶滅危惧種の植物を山でハンティングして育苗場で育てている。
今のうちから育てておかないとソコトラ島の未来が危ないと、
息子のアハマドは言う。
山には何千、何万という木が生えているが、若い木がほとんどない。
野生化した山羊が木の若芽を食べてしまうのだ。
そのことに気づいたから、木を育てることにした。
おもだった産業のないこの島では、観光業だけが頼りだ。
世界遺産に登録されてから多くの人が訪れるようになった。
巨大なドラゴンブラッドツリーが枯れてしまったら、致命的なダメージをうける。
親子は、何十年、何百年後の島のことを考えて植物を増やしはじめた。
貴重な植物を守るため、木を切らせないという 保護の仕方も理解できる。
しかし、植物を守るためにあえて人の手でハンティングし、育てる、
というやり方もあるのではないか。
プラントハンター西畠は、あらためて、そう思った。