森由里佳 15年7月19日放送

150719-05
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こども⑤ レオ・レオニと「スイミー」

小さな黒い魚、スイミーは、
大きな魚を恐れる、赤い魚たちにこう言った。
 
「みんないっしょにおよぐんだ。海でいちばん大きな魚のふりをして。」
(中略)
みんなが、一ぴきの大きな魚みたいにおよげるようになったとき、
スイミーは言った。
「ぼくが、目になろう。」
朝のつめたい水の中を、ひるのかがやく光の中を、
みんなはおよぎ、大きな魚をおい出した。
 
レオ・レオニの絵本「スイミー」。
 
力をあわせて勇気を出せば、どんなことだってできる。
 
この絵本から、そんなことを感じた子供たちは多いだろう。
 
しかし、実はこの作品には、
もうひとつのメッセージが込められている。
それは、
 
「ぼくが、目になろう。」
 
芸術家として、周りの人に見えないものを見ようとしたレオと、
小さなスイミーの姿が、ゆらりと重なる。

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