阿部友紀 15年12月26日放送
山川登美子 白百合の君、白萩の君
みだれ髪の作者、与謝野晶子と競い合った歌人、山川登美子。
29歳で生涯を閉じた登美子が残した歌は多くないが、
ひとつひとつが名作として文学史に刻まれている。
髪ながき 少女(をとめ)とうまれ しろ百合に
額(ぬか)は伏せつつ 君をこそ思へ
登美子が、思い人・鉄幹に「白百合の君」と呼ばれるきっかけになった歌である。
一方で、鉄幹は与謝野晶子にも「白萩の君」という呼び名を与え、
女2人の恋心を競わせたそうだ。
しかし、登美子と晶子の関係は良好だった。
歌も恋も切磋琢磨し合う日々に、登美子は幸せを感じていたに違いない。