阿部友紀 15年12月26日放送

151226-04

山川登美子 薄命の歌人

薄命の歌人、山川登美子。
思い人・鉄幹をライバルの与謝野晶子に譲り、歌の世界からも離れていたが、
夫の死を期に、また歌を詠むようになった。

合同詩歌集「恋衣」の刊行も果たしている。

しかし、歌人として生きて行こうとした矢先、またしても登美子を不幸が襲う。

死別した夫からうつされた結核を発症したのだ。

そして明治42年、
登美子は、29歳で孤独に人生の幕を閉じる。

 をみなにて またも来む世ぞ生まれまし 花もなつかし 月もなつかし

病床で読んだ歌には、また女に生まれたいという願いが切に込められている。

志半ばで遂げられなかった歌の世界への思いを、
そして叶わなかった恋を
来世では成就させたいと思っていたのかもしれない。

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