2016 年 4 月 23 日 のアーカイブ

宮田知明 16年4月23日放送

160423-01
manoftaste.de
ビールのお話 純粋令

 「ビールは、大麦、ホップ、水のみを原料とすべし」

ちょうど500年前の今日、4月23日。
ドイツで、ある法律が制定された。

「ビール純粋令」。

バイエルン公国のヴィルヘルム4世が、
ビールの品質の保持、食料としての小麦の確保という目的で
定めた法律。

ドイツ統一時にもこの法律は継承され、
500年経った今日でも、
多くのドイツの醸造所でその製法が守られている。

ところで、このBGM
「天国にはビールはない♪」
オクトーバーフェストでもよく歌われる歌。

ビール純粋令制定よりも前の時代に、
ある目的をもって作られた言葉だったのだが、
それはまた、別のお話。

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宮田知明 16年4月23日放送

160423-02

ビールのお話 修道士たちの言葉

かつて14世紀、ヨーロッパ全土にペストが大流行した。
修道士たちは、その主な感染源が「生水」であると考え、
麦汁を煮沸させて作るビールを飲むように、人々に説いて回った。
しかし、いっこうに生水を飲む習慣がなくならず、
ペストはフランスからドイツ、オランダ、
ポーランドへと蔓延していった。
そこで、修道士たちはこんな言葉を生み出した。

「天国にはビールがない。生きているうちに飲みなさい。」

その言葉が効いたのかは、いまとなっては分からない。
しかし、ペストは14世紀半ばに衰えはじめ、やがて終焉した。

その後ますますヨーロッパ中で愛される飲み物となった、ビール。
中でも、宗教改革で知られるマルティン・ルターも大のビール好き。
彼も面白い言葉を残したのだが、それはまた、別のお話。

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伊藤健一郎 16年4月23日放送

160423-03

ビールのお話 ルターの言葉

宗教改革の創始者、マルティン・ルターは、
無類のビール好きだった。

ルターは言った。

「うまいヴィッテンベルクのビールを飲む。
 すると、ひとりでに、神の国がやってくる。」

グラスを傾け、神の声に耳を傾け、
ルターは、プロテスタント教会の源流をつくった。

そんなルターの教えに忠実、というわけではなく、現代人もビールが大好き。
中には、麦芽王子と呼ばれる有名人もいるらしいが、それはまた、別のお話。

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伊藤健一郎 16年4月23日放送

160423-04
Kotomi_
ビールのお話 岩沢厚治の称号

国民的フォークデュオ、ゆずの一人。
岩沢厚治は、こんな異名を持つ。

 「麦芽王子」

ビール好きが高じて、手に入れた称号。
麦芽王子・岩沢には、ひとつの自負がある。

 「人間としてダメなところは、標準装備している」

ラジオの公開放送で「酔っております」と告白してしまうほど、
絶妙なダメっぷり、赤裸々なスタンスが、心揺さぶる歌を育むのだろう。

ところで、酔い姿には、人それぞれの生き様がにじみ出るというもの。
チェイサーにビールを頼む、ハードボイルドな男もいるそうだが、
それはまた、別のお話。

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伊藤健一郎 16年4月23日放送

160423-05
Gruenewiese86
ビールのお話 フィリップ・マーロウの飲み方

レイモンド・チャンドラーの小説に登場する、探偵。
フィリップ・マーロウは、言い放つ。

 「タフでなければ生きてゆけない。優しくなれなければ生きている資格がない」

たとえ酒を飲むときでさえ、ハードボイルドを貫くマーロウ。
ウイスキーをストレートで、ちびりちびり。
酒に飲まれぬよう、チェイサーとして、ビールを頼む。

マーロウは言う。

 「飲むのなら自尊心を忘れないようにして飲みたまえ」

百戦錬磨のマーロウにとって、ビールは自尊心を保つための相棒だった。

ところで、4月23日の今日は、ビールの日。
乾杯のもと、素敵な出来事が次から次へと生まれているはずですが、
それはまた、別のお話。

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