波多野三代 16年6月19日放送
Dial
南極に行った猫 三毛猫のタケシ
昭和基地にはこたつが無かった。
酷寒の世界で、佐久間隊員の部屋の大型通信機器は
かなりの熱を発していた。
そこに猫のタケシが目をつけたとしても不思議ではない。
ある日タケシは通信機のケースの中に潜り込んだ。
大きな音とともに毛皮の焼ける匂いがした。
高圧線に触れてしまったのだ。
昏睡状態が続き、
皆がもう駄目かと思っている中、
佐久間隊員の必死の看病で、一命を取り留めた。
自分の子供のような気がしたと、
佐久間隊員は新聞に語った。