Fort Greene Focus
卒業する君へ ジョージ・ソーンダーズ
2013年、シラキュース大学、卒業式。
壇上に、人気作家、ジョージ・ソーンダーズ。
いままでで最も後悔したことを語った。
あれは、中学1年の時だった。
エレンという女の子が転校してきた。
小柄で恥ずかしがり屋な子だった。
金髪の髪を口で噛んだりして。
みんな、エレンを無視するか、からかった。
髪の毛、おいしい? などと。
おれは、そんなことには加担しなかった。
だけど、何もしなかったんだ。
エレンが家の庭に立ち、
学校に行くことを恐れていたのを
知っていたくせに。
そのうち、エレンの一家は引っ越していった。
42年も経っても忘れられない。
作家は卒業生をみつめ、伝えた。
私が、
人生で最も後悔しているのは、
やさしくなりきれなかったことだ。