2017 年 3 月 4 日 のアーカイブ

佐藤延夫 17年3月4日放送

170304-01

スピーチの達人 チャーチル

 我々は、海岸で戦う。
 敵の上陸地点で戦う。
 野原や市街地で戦う。
 丘陵で戦う。
 我々は、断じて降伏しない。

これは1940年6月4日、
当時のイギリスの首相チャーチルによる、
下院演説での一説だ。
イギリス軍が、ナチスドイツと攻防を繰り広げていた時期であり、
国民の意識を高める必要があった。

チャーチルの演説は、短いセンテンスを繰り返すなど、
聞き手に強い印象を残す技法が多いという。
さすがノーベル文学賞を受賞するだけに、
スピーチのコツを心得ている。

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佐藤延夫 17年3月4日放送

170304-02
manhhai
スピーチの達人 ホー・チ・ミン

 地上のあらゆる民族は、
 生まれながらにして平等です。
 すべての民族に、生きる権利があります。
 幸福で自由になる権利があります。

これは1945年9月2日、
ベトナム民主共和国の独立を宣言するスピーチだ。
ベトナムの革命家、ホー・チ・ミンは、
アメリカ独立宣言やフランス人権宣言など
歴史上の有名な言葉を引用し、
聴衆の心を奪うことに成功した。
このスピーチが終わるころ、
広場は人々の歓声に包まれたそうだ。

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佐藤延夫 17年3月4日放送

170304-03

スピーチの達人 マルコムX

 投票は弾丸に似ている。
 標的が目に見えるまで、票を投じてはいけない。
 標的が届かないところにあれば、
 投票権はポケットの中にしまっておくことだ。

これは1964年4月3日、
オハイオ州の教会で行われたスピーチの一説だ。
アメリカの指導者マルコムXは、美辞麗句を並べない。
挑発的、好戦的な言葉で語りかける。
迫害されてきたアフリカ系アメリカ人に、
選挙の大切さを訴え、聴衆の意識を変えた。
ストレートな表現は、凶器のように心に突き刺さる。

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佐藤延夫 17年3月4日放送

170304-04

スピーチの達人 シャルル・ドゴール

 もはやこれまでなのか?
 いっさいの希望を捨てるしかないのか?
 敗北は挽回できないのか?
 私の答えは「ノン!」
 なにがあろうとも、フランスの抵抗の炎は消えない。
 消してはならない。

これは1940年6月14日、
フランスの軍人、シャルル・ドゴールによるスピーチだ。
ドイツ軍がパリを陥落させたとき、
ドゴールは訪問中のロンドンから、
ドイツとの戦いを呼びかけた。
軍人らしく、熱を帯び、迷いなど微塵も感じさせない言い方は、
すべてのフランス国民を勇気付けた。

このスピーチの中で、のちに評価されたのは、
「フランスの抵抗の炎」という一説。
聴く人の愛国心を高め、勇気を与える、
見事な比喩表現だと言える。

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佐藤延夫 17年3月4日放送

170304-05

スピーチの達人 セヴァン・カリス=スズキ

 どうやって修理すればいいかわからないなら、
 壊すのは、もうやめてください。

この有名な言葉は、1992年6月11日、
地球サミット総会でのスピーチだ。
カナダの環境保護活動家、セヴァン・カリス=スズキは、
9歳のときに環境学習グループを設立し、
12歳で地球サミット総会の壇上に立っていた。
スピーチは、およそ6分間。
情熱的に、シンプルに、
自分の言葉で堂々と語る。
それだけで、すべての人が魅了された。
スピーチの巧さに年齢など関係ないことを
彼女は教えてくれる。

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