「プリンセスは大変」かぐや姫
わたくしも、心ならずこうして去るのでございます。
せめて天に昇っていくところをお見送りくださいませ。
かぐや姫は帝に手紙と不死の薬を手渡し、天の羽衣をまとう。
すると、喜怒哀楽の感情を失ってしまった。
情念が消え去ってしまうことを知っていたから、
誰の愛にも応えなかった。
帝は手紙と薬を最も天に近い
駿河の富士の頂上で燃やすように命じた。
薬を焼いた煙は不思議に途切れること無く
今も立ちのぼっているという。
帝が永遠の命を手にしていたら、
再びかぐや姫と出会う日が来たのだろうか。
優しさなのか呪いなのか女心は複雑だ。