yoppy
青のはなし ブルーハワイの青い色
夏の定番と言えば、かき氷。
なかでも、夏らしいイメージで子供たちに人気のフレーバーが、
ブルーハワイ。
その由来は、1980年代に日本で流行したカクテルの名前だ。
遠い国の海を連想させる不思議な色あいの酒に
トロピカルな果物がたっぷりトッピングされたカクテルは、
大人のハートをがっちり掴んだのだろう。
色彩の心理学上では、青は、遠い地の象徴だとか。
ブルーハワイ。
大人心も子ども心もくすぐる、夏の青い色。
yoppy
青のはなし ブルーハワイの青い色
夏の定番と言えば、かき氷。
なかでも、夏らしいイメージで子供たちに人気のフレーバーが、
ブルーハワイ。
その由来は、1980年代に日本で流行したカクテルの名前だ。
遠い国の海を連想させる不思議な色あいの酒に
トロピカルな果物がたっぷりトッピングされたカクテルは、
大人のハートをがっちり掴んだのだろう。
色彩の心理学上では、青は、遠い地の象徴だとか。
ブルーハワイ。
大人心も子ども心もくすぐる、夏の青い色。
青のはなし 山口誓子の七月の青
現代的な俳句を数多く残した昭和の俳人、山口誓子。
彼が北九州の八幡製鉄所を訊ねた際に残した、夏の一句がある。
七月の青嶺(あおね)まぢかく溶鉱炉
青嶺(あおね)とは、夏の青々とした木々に覆われた山のこと。
真っ赤に燃える溶鉱炉の熱気から逃れるように外へ出て、
製鉄所の周囲を包み込む夏の青さに心を奪われたのだという。
山口誓子は、自らの句の解説でこう語った。
その「青嶺」は、夏の真盛りの青嶺であったから、
私はそれを「七月の青嶺」と表現せずにはいられなかった。
「七月」は伊達(だて)ではない。
六月でもない、八月でもない「七月」である。
青のはなし 山下達郎「蒼氓」
シンガーソングライター・山下達郎の曲の中に、
「蒼氓(そうぼう)」という、難しいタイトルがある。
蒼氓の「そう」は、
くさかんむりに倉と書く「蒼(あお)」。
「ぼう」は、「亡くなる」の「亡(ぼう)」に
「民(たみ)」と書く、見慣れない漢字。
「名も無き人々」を、
道端に生える「名も無き青草」に喩えた言葉で、
作家・石川達三の芥川賞受賞作を
頭に置いてつけたという。
山下達郎がこの曲で形にしようとしたのは、
「ゴスペルのように、見知らぬ誰かと
喜怒哀楽を共有できるような音楽」。
幼い頃から賛美歌に触れ、
ゴスペルに対する憧れがあった彼の
ひとつの到達点が、ここにある。
憧れや名誉はいらない 華やかな夢も欲しくない
名も無き草は、花の美しさや葉ぶりの見事さを
称えられることもなく。
黙々と、しかし、青々と生い茂り、拡がっていく。
「蒼」という色には、静かな生命力が宿っている。
Mr.Sai
青のはなし 漠然とした色
古代、やまと言葉では、青という色は
漠然の漠という字をあてて漠色(あおいろ)と呼ばれ
青、緑、灰、黄色まであおと呼ばれていた。
「青春」や「青二才」という現代に残る青を使った言葉も
まだ未熟で漠然としている色という語源からきている。
青い空や、青い海は私たちを色んな気持ちにさせてくれる。
漠然な色とは、実は可能性がたくさんつまった自由な色だ。
青のはなし ヴィクトル・ユーゴーの言葉
フランスのロマン主義文学の最高傑作、
「レ・ミゼラブル」。
その原作者、ヴィクトル・ユーゴーは
皇帝ナポレオン3世を強力に批判し、
19年間、亡命生活を送ったことでも知られる。
彼は、その幅広い作品の中で
社会問題を鋭く描き、権力や権威と闘い続けた。
人を信じ、自由を追求し続けたユーゴーは、
レ・ミゼラブルの中で、こんな言葉をのこしている。
海よりも広いものがある。それは空だ。
空よりも広いものがある。それは人の心だ。
目を閉じて感じる、広大な青い世界。
小説や詩にこめたユーゴーのメッセージは
時を越え、人々の心に無限の自由を描き続ける。
BugMan50
青のはなし メーテルリンク「青い鳥」
隣の芝生は青いというが。
他人ばかりが幸せそうに見えて
ふと、ため息でもつきたくなるときがある。
そんなときは、メーテルリンクの童話
「青い鳥」の一節を思い出してほしい。
なんだ、あれが僕たちの探している青い鳥なんだ。
僕たちはずいぶん遠くまで探しに行ったけど、
本当はいつもここにいたんだ。
当たり前の日常の中にある、小さな幸せ。
そのひとつひとつに気づく心さえあれば、
幸福の青い鳥はずっとそばにいてくれる。
青のはなし 荀子の青
孔子や孟子と並んで知られる儒教家、荀子。
孟子が性善説を唱えた一方で、
荀子は性悪説を唱えたことで知られている。
人間は本来「悪」である。だからこそ悪にそまらぬよう
努力や勉学が必要なのだ、と説くその言葉は、ことわざとして今でも用いられている。
青は藍より出でて藍より青し
藍草と青色の関係性を師匠と弟子にあてはめて、
学問や努力により持って生まれた資質を越えることができるという意味を持つ。
性善説か性悪説か。決着は未だつかないが、
もっと青く染まりたい。青くなってやる。
そんな想いや決意が人間をよりよいものに導いているのかもしれない。
christophe brocas
青のはなし イヴ・クラインの青
フランスの芸術家、イヴ・クライン。
単色でキャンバスを塗りつぶす「モノクロニズム」を代表する画家として
知られている彼は、なかでも青を好んで使用していた。
その青は、絵の具でもペンキでもない染料で、
「インターナショナル・クライン・ブルー」という名前で
特許が取得されている、いわば、彼だけの色。
彼が青にこだわる理由、それは
私たちを「物質的なもの」の束縛から解き放ち、
無限の宇宙へいざなってくれるかのような探い精神性に満ちている。
から。
34年という短い生涯でありながら、彼が残した青色は
今を生きるアーティストのキャンバスを彩り続けている。
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