伊藤健一郎 17年9月16日放送

170916-02

臨終の話 トーマス・エジソン

発明王、トーマス・エジソン。
彼は、1929年10月。白熱電灯発明50周年の祝典で、
フーバー大統領をはじめとする、多くの来賓から賛辞をおくられた。

けれど、エジソンは、彼らと満足に会話をすることができず、
短い感謝を述べると崩れるように椅子にすわった。
胃がんと糖尿病、さらに腎炎と高血圧を患い、ギリギリの状態だったのだ。

1931年10月18日、いよいよそのときが近づくと、
エジソンは昏睡状態から目を覚まし、妻のミーナにこう言った。
「いいお天気だね」まだ夜があけない暗い時間だった。

ミーナがエジソンに「苦しいですか」とたずねると、
彼は一言「いや、待っているだけだ」とこたえ、
ほどなくして、息を引きとった。

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