石橋涼子 17年12月31日放送
大晦日の話し 大晦日
江戸時代では、大晦日と言えば、
ツケ払いをした買い物の支払いを清算する日でもあった。
井原西鶴の書いた『世間胸算用(せけんむねさんよう)』は、
大晦日に借金取りと奮闘する町人たちの物語だ。
居留守や仮病、ケンカなど、あらゆる手段で商人から逃げようとする
人間臭い駆け引きが、ユーモアたっぷりに描写され
西鶴晩年の傑作とも言われている。
西鶴は、大晦日にまつわるこんな句も残している
大晦日 定めなき世の 定めかな
当時は徳川綱吉の治世で変化の慌ただしい世の中。
それでも大晦日は定め通りにやってくる。と、解釈することもできるが、
それでも大晦日の借金取りだけはちゃんとやってくる
と解釈することもできる。
人気者の西鶴先生も、町人と同じ苦労をしていたと考えれば
親しみも倍増するというものだ。
今日は大晦日。
2017年最後の日。