絵本のひと 安野光雅
走るなメロス
と書いたのは、
絵本作家の安野光雅さん。
「走れメロス」のような
友情のための自己犠牲は、
物語として確かに美しい。
けれど、本当に正しいのか。
美談や教訓を疑う姿勢は、
戦争体験から来ているのだという。
生きることは単純じゃない。
書かれたことが正解じゃない。
自分の頭で考える自由は、
手放したくない。
絵本のひと 安野光雅
走るなメロス
と書いたのは、
絵本作家の安野光雅さん。
「走れメロス」のような
友情のための自己犠牲は、
物語として確かに美しい。
けれど、本当に正しいのか。
美談や教訓を疑う姿勢は、
戦争体験から来ているのだという。
生きることは単純じゃない。
書かれたことが正解じゃない。
自分の頭で考える自由は、
手放したくない。
ha-suha
絵本のひと せなけいこ
絵本作家のせなけいこさん。
ある日、同居する娘さんが
子どもをしかる様子に目を奪われた。
「そんな悪いことするなら、おおかみさん呼びますよ。」
受話器をとり、「もしもし、おおかみさんですか?」と演技をつづける。
子どもはたまらず「いやーん。ごめんなさい。」
その傍らでほくそえんでいた、せなさん。
後日、「おおかみのでんわ」という絵本を描いた。
真剣だからおもしろい。
どの家の子育ても、
世界に一編の物語だ。
Vintage Japan-esque
絵本のひと 石井桃子
絵本なんて子ども向けでしょ。
なんて思っている人には、
絵本作家の石井桃子さんが色紙に書いた言葉を
読んでほしい。
おとなになってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。
flickrohit
ジーンズの誕生日
今日はジーンズの誕生日。
ゴールドラッシュに沸くアメリカ。
人々はとにかく丈夫な作業着が欲しかった。
仕立屋ジェイコブ・デイビスは
生地屋のリーバイ・ストラウスから仕入れた
丈夫な布でズボンをつくり、
ポケットをリベットという小さな金具で補強する。
これはのちに本人も忘れてしまうほどの
些細な思いつきだった。
それがまさかの大ヒット。
アイデアを守るための
特許出願にかかる費用は68ドル。
しかしジェイコブにはこれが払えず
リーバイと折半して出願する。
特許が承認されたのが1873年の今日だった。
史上最大の発明ジーンズは
仕立て屋と生地屋の
偶然のコラボから生まれたのだ。
shio
ジョブズとジーンズ
今日はジーンズの誕生日。
労働者の作業着として
生まれたジーンズ。
やがてアーティストやミュージシャン
映画スターに愛されるようになり
今や大企業の社長までもが
こぞってジーンズを履いている。
国境も性別も職業も
あらゆる境界線を越えるジーンズ。
いつも同じ服しか着なかった
スティーブ・ジョブズもジーンズをこよなく愛した。
iPodもiPod nanoもプレゼン中の彼の
ジーンズのポケットから初めて登場した。
こんな遊びゴコロがある限り
人類がジーンズを履かなくなる日は、
きっと永遠に来ないだろう。
マリリン・モンローとジーンズ
今日は、ジーンズの誕生日。
丈夫で破れない。
ブルージーンズの始まりは、男性の労働着であった。
その実用的でしかなかったジーンズを、
女性のファッションアイテムに価値転換をした人。
それが、マリリン・モンローだった。
1961年。
映画『荒馬と女』でブルージーンズを履いたモンロー。
第二の皮膚のように、彼女にフィットしたジーンズ。
馬に乗って駆け回る時も、
寝そべって休憩する時さえも、美しい。
映画を見た当時の女性たちは、
そのジーンズ姿に魅了された。
「ほんとうの魅力は、女らしさによって生まれるものよ。」
そう、モンローは言う。
彼女の魅力は、男性向けのジーンズを履いてもなお
隠れることはなかった。
魅力的なスタイルを保つために
運動を欠かさなかったモンロー。
ジョギングの時にも、ブルージーンズを履いていたという。
Sharon Mollerus
アンディ・ウォーホールとジーンズ
今日はジーンズの誕生日。
ブルージーンズに嫉妬した。
そんな、アーティストがいた。
ポップアートの教祖、アンディ・ウォーホール。
彼は、非常に高尚であった絵画の世界に
キャンベルスープ缶やマリリン・モンローなど
大衆文化を持ち込んだ。
その反逆スタイルは、
彼のファッションにも通じている。
黒いタキシードの上着に、
カジュアルなブルージーンズを合わせて
パーティに参加したのだ。
彼は著書で、こう語っている。
「ぼくもブルージーンズみたいなのを発明したかった。
あれだけ大衆的で、人に覚えてもらうものをさ。」
ジーンズで訴えた男
今日はジーンズの誕生日。
労働者の作業着として生まれたジーンズは、
1950年以降、強いメッセージ性を持つファッションへと変化する。
音楽の力によって。
1969年のウッドストック。
伝説と謳われた、愛と平和の音楽の祭典。
最終日に、トリとしてステージに現れたジミ・ヘンドリックスは、
美しいブルーのフレアジーンズ姿で、国歌「星条旗」を演奏し始めた。
最初は聞き慣れたフレーズが続いたが、
突然の変化に観客たちは驚いた。
まるで爆撃機の空襲音のようなノイズ。
人々の悲鳴のような弦の高鳴り。
激しく歪みながら鳴り続けるその狂気的な旋律は、
当時のベトナム戦争への痛烈な批判を表現していた。
そして、彼は観客へこう言い放ったと言う。
「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな。」
ロック史に残る、その圧倒的なステージ上の姿が、
ジーンズをも「反骨精神の象徴」へと変えていったのだ。
ジーンズを発明したかった男
今日はジーンズの誕生日。
労働者のための作業着として作られたジーンズだが
ファッション界において、それは特別な意味を持つ。
モードの帝王と呼ばれた天才デザイナー、イヴサンローラン。
彼は引退する時、自身でジーンズを手掛けなかったことが
唯一の心残りだと語ったという。
なぜモードの帝王が、大衆のファッションであるジーンズを愛したのか。
彼はジーンズの魅力についてこう語っている。
ブルージーンズ程、独創的で美しいものは無い。
しかも、それは実用的で、リラックスとカジュアルの空気を持っている。
そしてまた、ブルージーンズは主張と抑制とを併せ持っている。
それは簡素であると同時にエロティシズムをも放つ。
つまり、私がデザインしたいと思う要素を全て持っている。
天才がこれほどまでに評価するファッションは、
ジーンズのほかにない。
allenjaelee
インディゴとジーンズ
今日はジーンズの誕生日。
ジーンズの魅力を、その独特な色落ちにあるという人も多い。
なぜジーンズは色落ちするのか?
1880年、ドイツの化学者A.ボン.バイヤーが天然インディゴと
まったく同じ成分構造を持つインディゴの合成に成功。
ジーンズはほとんど、この合成インディゴで染色されている。
ただこの合成インディゴ、粒子が荒く、
染めあげる力は藍染などと比べてもはるかに弱い。
糸の表面に付着した状態で中まで色が浸透せず
何度も着ているうちに徐々に色が落ちていってしまうのだ。
だが、この染める力の弱さが功を奏し
世界でも類を見ない経年変化を楽しめる
ファッションアイテムが誕生したのだ。
世界中で10億着以上のジーンズが合成インディゴで青く染められてきた。
そしてそれらのジーンズには一つとして同じ色のものは無い。
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