「安野光雅」 岸田衿子
画家・装幀家・絵本作家、安野光雅。
岸田衿子の詩集「風にいろをつけたひとだれ」の装幀を手がけた。
衿子は劇作家・岸田國士(くにお)の娘。
女優・岸田今日子の姉である。
安野が「キツネに野生が蘇った」と書いた文章を
衿子は「野生が戻った」にした方がいいと言った。
「モドッタ」という言いかたは、一見通俗ふうである。
そのむずかしくなく、やさしく書くことは、
その後の安野の文章に対する姿勢をあらためさせた。
岸田衿子の言葉どおり、「衿を正す」もととなっていった。