文字の日「ひらがな」
平安時代。
1日に何通も恋文を書いていた女性たちは、
徐々に漢字を省略して書くようになっていく。
草書体をさらに崩した、やわらかく流れる丸い文字 ―
こうして生まれたのが、ひらがなである。
オリンピックを控えた今、ひらがなは再び注目を集めており、
今年の春にはひらがなを擬人化したアニメまで制作された。
誕生からおよそ1000年が経っても、
かわいらしい46種の文字は私たちを魅了し続ける。
文字の日「ひらがな」
平安時代。
1日に何通も恋文を書いていた女性たちは、
徐々に漢字を省略して書くようになっていく。
草書体をさらに崩した、やわらかく流れる丸い文字 ―
こうして生まれたのが、ひらがなである。
オリンピックを控えた今、ひらがなは再び注目を集めており、
今年の春にはひらがなを擬人化したアニメまで制作された。
誕生からおよそ1000年が経っても、
かわいらしい46種の文字は私たちを魅了し続ける。
文字の日「カタカナ」
ひらがなと同じく漢字を崩して生まれたカタカナ。
そのカタカナを日本語の中心としよう
という動きがあったことはご存知だろうか?
大正9年に設立されたカナモジカイは、
当時小学校で習う漢字が1356字あったのに対し
実際に覚えられるのは600字程度であることを突き止めた。
そこで、習う漢字の制限の他、
駅名や公的文書のカタカナ化を訴えたのだ。
ワープロ等の普及により漢字の読み書きが容易くなり、
運動は自然と下火になったが、
漢字の数がへらされなかったのはすこし残念である。
文字の日「チェロキー語」
アメリカ先住民族のチェロキー族に、
シクウォイアという銀細工師がいた。
白人と交流があった彼は
「文字」という概念に触れ、感銘を受ける。
そしてめざしたのは、
文字を持たないチェロキー語の
読み書きを可能にすること。
苦労の末に完成したのが
85文字の「チェロキー文字」。
形はアルファベットやアラビア数字にも似ているが、
表す音はまったく違う。
シクウォイアは既存の文字を参考にしたが、
それらを理解することはできなかったためだ。
ひとりの力で民族に文字体系をもたらす。
後にも先にも例のない偉業である。
文字の日「絵文字」
世界最古の文字、と言ったら
何を思い浮かべるだろうか。
エジプトのヒエログリフ?メソポタミアの楔形文字?
諸説あるが、中部イラクのウルク遺跡から
発掘されたシュメール文字が特に有力だ。
シュメール文字が使われていたのは、
紀元前3500年ごろで、紙もまだない時代だ。
ウルク遺跡から発掘されたシュメール文字も、
粘土板に刻まれていた。
そこには魚や人、記号などが並んでいて、
まるで絵のような、見ていて楽しいものだった。
そして、それから5000年以上たった現代。
世界中の人々がチャットやSNSで使っているのは、
笑った顔や怒り顔など、かわいい絵文字たち。
今や国や文化を超えても共通で使われ
非常に親しまれている「絵文字」の歴史は、
思ったよりずっと長いものかもしれない。
©️ Christophe MOUSTIER
文字の日「点字」
指先の感覚で読む、
視覚障害者のための文字「点字」。
その起源は、思いも寄らないところにある。
1819年フランス。当時砲兵大尉だった
シャルル・バルビエ・ド・ラ・セール。
彼は、明かりがない夜でも
兵士たちに正確に命令を伝達するため
「夜間文字」という暗号を開発した。
それは、厚紙に点を浮かびあがらせ、
12の点で音節や発音、単語を表すというもの。
そして、それが後にパリの盲学校で改良され、
「点字」として広く普及していくことになる。
後世に残るような発明は、
意外と当初の目的とは少し違うところで
重宝されているのかもしれない。
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