石橋涼子 19年3月31日放送
畑のはなし 津田仙の野菜畑
江戸末期、佐倉藩藩士の家に生まれた津田仙(せん)は、
早くから洋学を学び、福沢諭吉らとともに
アメリカ留学も果たした人物だ。
維新後はその英語力を見込まれ、
外国人向けの築地ホテル館の理事に就任した。
そこで、外国人が求める新鮮な西洋野菜が
日本では手に入らないことに気づいた。
ないならば、つくればいい。
アスパラガス、ブロッコリー、パセリ、いちご…。
畑に海外から取り寄せたタネをまき、
英語の農業書を片手に土をいじりながら栽培法を研究した。
さらには、畑で学んだ知識を広く伝えるため、
日本初となる私立の農学校も設立した。
先見の明を持ち、開放的な考え方を持つ津田仙。
若干8歳の娘を日本人初の女子留学生として
アメリカに送り出したことでも有名だ。
娘の名前は、津田梅子である。