古居利康 20年6月27日放送
詰め将棋の将軍
江戸城内にあった紅葉山文庫。
徳川家康が、まつりごと運営の指針となる
古今の典籍をあつめた。
蔵書の中には、政治とは関係ない
趣味の本もあった。たとえば将棋の本。
江戸時代、歴代の将棋名人は、
名人位が決まるとそれぞれの技量を
詰め将棋の形で残し、幕府に献上していた。
将棋好きだった初代家康以来の習わしだった。
「暇さえあれば将棋ばかり差していた」
と言われる10代将軍、徳川家治は、
みずから詰め将棋の書物「詰将棋百局集」を
著して、紅葉山文庫におさめた。