蛭田瑞穂 12年9月8日放送
作家が暮らした家①山口瞳
作家山口瞳が建てた国立の家。
山口はその家の設計を建築家の高橋公子に依頼した。
山口が出した要望は、
「外観は倉庫。中へ入ると体育館。全体として未完成の感じ」。
数寄屋造りの日本家屋に民芸調の家具を合わせるより、
コンクリートの打ちっぱなしの住居に
西洋の骨董家具を合わせる方が洒落ている。
そんなモダンな感覚が山口にはあった。
要望通りに完成した、一見風変わりなその家を山口は大変気に入り、
自ら「変奇館」と名づけ、終の棲家とした。