名雪祐平 13年5月26日放送
うさぎバブル 赤目の人々1
明治6年、東京で
風変わりな法律ができた。
『兎取締ノ議』
うさぎを飼うと、
1匹につき月1円の税金が課税された。
当時1円あれば
米30kgも買えるほどの重税。
しかも年間ではなく月々の負担だった。
そんな法律ができるほど
貴族や平民にいたるまで、
日本人がうさぎに熱狂していた。
うさぎは高く売れる。
うさぎは儲かる。
人々は血眼で兎を追った。
二兎を追い、四兎得ようと。
四兎を追い、八兎得ようと。
ところが法律によって
一兎ずつ、
高い税金がかかるようになってしまった。
うさぎはよく子どもを産む。
10匹産めば、
10匹の丸儲けだったのが、
10匹の丸損になったのだ。