名雪祐平 15年2月28日放送
Taishi
わび 前衛 利休
千利休。
わびの世界を極めた男。
その男がなぜ、黄金の茶室を作ったのか?
派手好きの秀吉の命だったとはいえ。
壁も天井も茶碗も金。
畳と障子は赤。
昼の明るさには、
まばゆいばかりの空間。
しかし、利休が企んだのは夜だったという。
闇に一本の蝋燭をつけるのだ。
すると、まわりが
ぼーっと鈍い金色に浮かびあがる。
派手な小さな空間に
わびの無限の宇宙ができあがる。
蝋燭の炎がゆれれば、
金色の宇宙もゆらゆら、ゆれただろう。