佐藤延夫 18年2月3日放送
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小説の舞台 ヘルマン・ヘッセ
ドイツの南西部、バーデン=ヴェルテンベルク州に、
気高く佇む修道院がある。
マウルブロン修道院。
それは、小説「車輪の下」の舞台になった場所だ。
広大な敷地は城壁と壕に囲まれ、
礼拝堂のほかに診療所、食堂、宿泊所などの建物も並ぶ。
ヘルマン・ヘッセも14歳のとき、この神学校に入学したが、
わずか半年で脱走している。
「人生とは孤独であることだ。誰もほかの人を知らない。みんなひとりぼっちだ。」
そんな彼の言葉が似合う静謐な修道院は、
1993年、世界遺産に登録されている。