澁江俊一 18年7月29日放送
江戸っ子の花好き
公園という言葉は
明治以降のものだけれど
江戸時代にもすでに公園はあった。
寺や神社の境内が、それである。
当時最高のアトラクションは花だった。
梅や桜やツツジや椿、春と秋の七草など
様々な花を見に江戸っ子たちは繰り出した。
川の土手に桜を植えたのも
大勢の江戸っ子が見にくることで
土手が踏み固められ、強い堤防になるためだった。
我々現代人よりはるかに、
季節を楽しむことが上手な江戸っ子たち。
江戸時代に日本にやってきた
スコットランドのプラントハンター、
ロバート・フォーチュンはこう語っている。
日本人は、庶民でも生来の花好きである。
花を愛することが、
文化的レベルの高さの証明だとすれば、
日本の庶民は我が国と比べると、
ずっと勝っているとみえる。