小野麻利江 19年2月24日放送
KrisNM
雪のはなし ケプラーと雪の結晶
自然の産物であるにもかかわらず、
雪の結晶は、かならず正六角形。
その形がつくる美しさに、
人は古くから魅了されてきた。
雪のスケッチとして最も古いものは、1550年ごろ。
スウェーデン人のマグヌスによる記録。
三日月のような形や、
クラゲのような形のスケッチが残っている。
マグヌスの時代にはまだ、
雪の結晶は、肉眼か虫眼鏡でしか
観察することができなかったが、
1600年代に入ると、顕微鏡が登場。
観察の精度が飛躍的に高まった。
雪の結晶が「かならず」正六角形になることを
発見したのは、
ドイツの天文学者、ヨハネス・ケプラー。
なぜ六角形になるのか。
その理由の推論を記した小冊子を、
友人やパトロンに送っている。
望遠鏡で、はるか宇宙を観測しながら。
ケプラーは、顕微鏡のレンズの先にも、
小さな宇宙を発見していた。