薄景子 19年9月29日放送



月のはなし 月の光

もしも、この世に月がなかったら、
生まれなかった物語はいくつあっただろう。

生まれなかった言葉は、歌は、
生まれなかった恋は、世界にいくつあっただろう。

ドビュッシーの名曲、「月の光」。
幻想的な月夜をイメージするこの曲は
フランスの詩人、ヴォルレーヌの詩「月の光」に
魅了されたドビュッシーが
その詩にあわせて歌曲をつくったのがはじまり。
彼はその曲を恋人、ヴァニエ夫人にささげ、
のちにピアノの音だけで「月の光」を表現したという。

静かで、どこか切なく、心にそっと寄り添うメロディは
月明りの夜、物想いにふけるのにちょうどいい。
ふと、会いたい人の顔が思い浮かんだら、
それは月の光が、あなたの胸を照らした証拠。

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