石橋涼子 19年11月24日放送
紅葉のはなし 石橋涼子
フランスの作家で哲学家でもある
アルベール・カミュ。
読後感が決して明るくはない不条理文学と、
トレンチコートにくわえタバコで気難しい顔をしたイメージだが、
彼自身の言葉には、生きることに前向きな輝きがある。
カミュが生まれ育ったのは、
地中海に面し、自然に恵まれたアルジェリアだ。
家は貧しかったが、たっぷりの太陽と海に育まれたことが
彼の根底にある。
今は11月も末、
木々の葉も黄色やオレンジを経てすっかり赤くなり
本格的な寒さが身に沁みる季節に
美しくも温かい、カミュの言葉を贈ります。
“L’automne est un deuxième printemps où chaque feuille est une fleur.”
秋は、すべての葉が花になる、二番目の春である。