礒部建多 19年12月15日放送
魯山人のすき焼き
冬といえば、あたたかい鍋。
甘辛く煮たすき焼きは、定番とも言える。
しかし、北大路魯山人は、それを「甘くどい、ごちゃ煮」と酷評する。
決して、すき焼きが嫌いだった訳では無い。
魯山人なりのすき焼きの食べ方があったのだ。
まず、霜降りの牛肉を焼き、
すぐに酒を入れ、醤油と僅かなみりんで味をつけて、
焼きあがったら大根おろしを載せて食べる。砂糖は加えない。
その後、昆布と鰹の合わせだしを鍋に足し、
豆腐、白葱、春菊、椎茸などを入れて味をつけて煮込み、
それらに大根おろしを載せて味わう。
肉と野菜を一緒に煮込まずに、焼いては食べる、を繰り返すのだ。
今宵、魯山人の食べ方を試してみるもよし。
あなただけの食べ方を探すもよし。
鍋ほど、自由な料理はないのだから。