礒部建多 20年2月15日放送
rhosoi
発酵と解毒
発酵しなければ、
食べられなかったものがある。
それは、フグの卵巣である。
青酸カリの1千倍とも言われる猛毒、
テドロトキシンが含まれているからだ。
石川県の郷土料理に、
フグの卵巣のぬか漬けがあるのを、ご存知だろうか。
4年もの時間、ぬかに漬けることで、
ぬか味噌の中に存在する乳酸菌が、卵巣の中で増殖。
テドロトキシンをエネルギーとして取り込むことで、
やっと解毒され、食すことができるのだ。
その味は濃厚で、
漬ける期間が長いせいもあり、
塩気がかなり強いのも特徴。酒の肴として好まれる。
高血圧の人にとっては、
ある意味「毒」なので、注意すべし。